勧進帳、心揺さぶる 小松、全国歌舞伎フェス千秋楽 - 石川県のニュース | 北國新聞社

会心の演技で千秋楽を飾る小松市の子供役者=同市の県こまつ芸術劇場うらら

勧進帳、心揺さぶる 小松、全国歌舞伎フェス千秋楽

2018/05/06 02:11

 第20回全国子供歌舞伎フェスティバルin小松(北國新聞社特別協力)は5日、千秋楽を迎え、小松市の県こまつ芸術劇場うららで4団体の子供役者が気迫に満ちた演技を繰り広げた。小松市の子供役者は「歌舞伎十八番の内勧進帳」で弁慶、富樫、義経が織り成す感動の物語を表現し、全力を振り絞った会心の芝居が客席を埋めた約800人の心を揺さぶった。

 

 勧進帳は役者をはじめ、長唄・囃子(はやし)方、裏方に至るまで、子供を中心に全て市民が務め、千秋楽で稽古の成果をぶつけた。20回の歴史を重ねてきた勧進帳が観衆を魅了した。

 

 弁慶役の光安(みつやす)晴香さん(芦城中1年)と富樫役の北川詩乃さん(同)の同級生コンビが芝居の主軸として輝いた。

 

 ミュージカルの経験がある光安さんはよく通る声で長せりふを堂々と発し、力強い舞で会場を沸かせた。関所を越えるために知力の限りを尽くし、主君・義経をつえで打ち据える弁慶を熱演した。富樫との見えがぴったりとそろい、「初日以上の舞台になった。演技に合わせてくれた長唄・囃子方の人たちに感謝したい」と笑顔で語った。

 

 北川さんは、弁慶の姿に感銘を受けて義経一行を見逃す関守・富樫の心情を見事に表現した。太刀を構えて飛び掛かるしぐさや見えを切る場面で拍手を浴び、「悔いなくできた。一致団結してすてきな舞台になった」と感慨を込めた。

 

 三役唯一の小学生、中川みはるさん(符津小6年)は、非礼をわびる弁慶を優しく許す義経を繊細に演じ、「自分の持っている力を出し切れた」と語った。

 

 砺波市の「出町子供歌舞伎曳山 東曳山会」、滋賀県米原市の「米原曳山祭保存会 松翁山組」、同県長浜市の「長浜曳山まつり 本町組 春日山」も出演し、大人顔負けの芝居で来場者を楽しませた。