化学遺産に認定された高峰博士に関する資料=金沢ふるさと偉人館

高峰資料が化学遺産に 金沢ふるさと偉人館所蔵 特許証など82点

2018/03/09 02:43

 金沢ふるさと偉人館が所蔵する、金沢育ちの化学者高峰譲吉博士に関する資料が、日本化学会(東京)の「化学遺産」に認定された。博士が発明した消化薬タカジアスターゼや止血剤アドレナリンの特許についての書類や商標登録証など82点で、化学起業家の先駆けとしての博士の功績を示す。21日に東京で贈呈式が行われる。

 

 化学遺産の認定は9回目となる。今回は金沢ふるさと偉人館の高峰博士資料に加え、市立玉川図書館近世史料館が所蔵する、加賀藩お抱えのオランダ人医師スロイスが明治初期に金沢で行った講義記録も認定を受けた。全国で計3件が選ばれた。

 

 高峰博士の関係資料は、タカジアスターゼに関して米国で出願された特許証、タカジアスターゼを製造・販売した米国の製薬会社パークデービス社関係者と博士が交わした書簡、タカジアスターゼの日本での商標登録証、ドイツなど4カ国でのアドレナリンに関する特許通知、博士が使用していた顕微鏡となる。第一三共(東京)が所蔵するタカジアスターゼとアドレナリンの薬瓶、外箱4点とともに認定された。

 

 ふるさと偉人館によると、資料からはタカジアスターゼの効果が確認されてパークデービス社が薬品開発に本腰を入れる過程や、アドレナリン関連では博士が代理人を立てて複数の国で並行して特許を出願するという、当時としては珍しい手法を取っていたことが分かる。研究を事業につなげる博士の起業家としての側面を伝えているという。

 

 スロイス関連では、金大医学類の前身である金沢医学館での講義録「舎密学(せいみがく)」計3冊が、明治初期に当時最新の化学が日本で教えられていたことを示す資料として評価された。同時期に福井で物理や化学を教えた米国人グリフィスの講義録(福井市立郷土歴史博物館所蔵)と合わせて選ばれた。

 

 金沢ふるさと偉人館では4月21日~8月26日、市立玉川図書館近世史料館では4月28日~6月24日にそれぞれ認定を受けた資料を展示する。

 

 認定を受け、山野之義市長は「広く顕彰、発信するとともに、長い歴史を持つ『高峰賞』もあることから、学術文化の人づくりにも生かしていきたい」とのコメントを出した。