増刷された鉄印帳とIRいしかわ鉄道の鉄印=金沢駅

「鉄印帳」人気で増刷 IR、のと鉄道で販売再開

2020/08/19 14:26

 御朱印帳にあやかり、全国の第三セクター鉄道に乗った証(あかし)を集められる「鉄(てつ)印(いん)帳(ちょう)」が石川県内でも人気を集めている。7月10日に、IRいしかわ鉄道(金沢市)とのと鉄道(穴水町)を含む全国40社で販売を始めたところ、全社で1カ月を待たずに完売し、急きょ増刷された。19日にはのと鉄道穴水駅で販売が再開され、待ちかねた人が「鉄印」を手に入れた。IRは20日から販売する予定で、人気に励まされた両社は「乗客を増やし、地域を盛り上げたい」と期待を込めている。

 

 鉄印帳は寺社を巡って御朱印を集める「御朱印帳」の鉄道版として、第三セクター鉄道等協議会(東京)が企画した。1冊2200円(税込み)で、全国40社で購入できる。

 

 鉄印帳と乗車券を提示し、記帳料を支払うと、各社オリジナルの「鉄印」が入手でき、40社分を全て集めると特製の「マイスターカード」が贈られる。

 

 県内ではのと鉄道が穴水駅、IRが金沢、津幡両駅で取り扱う。記帳料は両社とも300円(税込み)で、のと鉄道は西岸駅―能登鹿島駅間を走る列車と里山里海の風景が描かれた図柄に「のと鉄道」と墨書される。

 

 IRの鉄印は同社のロゴマークと「未来へ伸びる愛ある鉄道」の文字を記したデザインにスタンプが押される。

 

 鉄印帳は当初、全国で5千冊が用意され、40社に110冊ずつ配られた。販売が始まると、早い鉄道会社では数日で完売し、今月5日までに追加発行分を含め、全社で売り切れたという。

 

 増刷したのは初版の倍となる1万冊となる。のと鉄道には約50冊が順次届く予定で、穴水駅で19日午前9時に発売を開始した。

 

 一番乗りしたのは家族4人で旅行中の自営業岡崎茜さん(40)=堺市=で、18日にえちごトキめき鉄道糸魚川駅(新潟県糸魚川市)で鉄印帳を購入し、二つ目の鉄印をもらうために訪れた。岡崎さんは「図柄が渋くて気に入った。もっと集めたい」と笑顔を見せた。

 

 のと鉄道の担当者は「今はコロナ禍で訪れるのは難しいと思うが、鉄道ファンが全国を訪ねてくれるのはありがたい」と話した。

 

 IRいしかわ鉄道は20日午前10時から発売し、100冊を順次取り扱う。担当者は「鉄印集めだけで終わらず、この機会に多くの人に石川の魅力を知ってほしい」と願った。

 

 三セク鉄道の多くは旧国鉄、JRから赤字路線や北陸新幹線などの並行在来線の運営を引き継いだことから経営基盤が弱く、2019年度は40社中、33社が赤字だった。

 

 協議会の本棒公二事務局次長は「鉄印帳は全国を巡るきっかけになる。地方鉄道にとって厳しい状況が続くが、さまざまな人に乗ってもらうことが路線維持につながる」と力を込めた。