青柏祭で勢ぞろいした3基のでか山=2019年5月4日、七尾市内

でか山の運行中止

2020/04/01 14:03

 5月3~5日に予定された能登を代表する祭礼「青(せい)柏祭(はくさい)」で、祭りの目玉である巨大な山車(だし)「でか山」の運行が中止されることが1日決まった。新型コロナウイルスの感染拡大により、観客、関係者の安全を確保できないと判断した。戦後では初とみられる異例の対応。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された伝統行事も苦渋の決断を迫られた。

 

 1日午前、市内で青柏祭でか山保存会が役員会を開き協議した。

 

 でか山を運行する鍛冶町、府中町、魚町ではすでに人形づくりなど準備が始まっているところもあるが、各町の総代らは石川県内でも感染経路を特定できない感染者が出たことなどから、観客らが曳(ひ)き手として加わる通常通りの開催を断念。無観客での運行でも来訪を抑えられないため、でか山の組み立てもやめ、延期や縮小は本来の形から外れるとして中止を決定した。

 

 保存会の中村巧会長は取材に「七尾を元気づけるためにも運行してほしいという声はあったが、やむを得ない。こんなに悔しいことはない」と話した。

 

 青柏祭は七尾市山王町の大地主(おおとこぬし)神社の春の例大祭で、神事は例年通り4日に執り行われる見通し。

 

 でか山は、戦国期に能登守護・畠山氏が京都の祇園祭をモデルに山車を奉納したのが始まりと伝わる。直角に方向転換する「辻廻(つじまわ)し」などが観衆を魅了し、昨年の3日間には約12万人が訪れた。

 

 不嶋豊和七尾市長は「七尾の風物詩が途切れるのはさみしいが、現況では適切な判断ではないか。来年こそは盛大に開催してほしい」と述べた。