北國新聞社より | 北國新聞社

きょうのコラム『時鐘』

2018/08/20 01:02

 料理(りょうり)が趣味(しゅみ)でもないのに、青木悦子(あおきえつこ)さんの連載(れんさい)「郷土(ふるさと)ごっつお」には大概(たいがい)、目(め)を通(とお)す。時々(ときどき)、意外(いがい)な「へェー」に出合(であ)う

「ネジラガレイのクリームソース」が出(で)ていた。好物(こうぶつ)とは言(い)い難(がた)い夏(なつ)ガレイだが、うっかり読(よ)み飛(と)ばさなくてよかった。「シタビラメと呼(よ)ばれる魚(さかな)のことです」とあった。ヘェー。今(いま)さら恥(は)ずかしくて聞(き)けないことを、一(ひと)つ学(まな)んだ

ネジラガレイの煮付(につ)けを出(だ)されても、さほど心(こころ)はときめかない。が、「舌(した)平(びら)目(め)のムニエル」は気(き)取(ど)って食(た)べたことがある。ものを知(し)らないと、トンチンカンな振る舞(ま)いに及(およ)ぶ。ネジラガレイに非礼(ひれい)を重(かさ)ねてきた

もっとも、自(じ)分(ぶん)の不勉強(ふべんきょう)を棚(たな)に上(あ)げ、土地(とち)によって魚の呼(よ)び名(な)が違(ちが)うのには閉口(へいこう)する。夏(なつ)の「ごっつお」の一つ、コゾクラは、「出世魚(しゅっせうお)」ブリの幼(よう)魚(ぎょ)。二度(にど)も三度(さんど)も名乗(なの)りを変(か)え、それも土地が違(ちが)えば別々(べつべつ)という厄(やっ)介(かい)さである。が、魚好(ず)きに言(い)わせると、ガンドとフクラギの味(あじ)の違いは「分(わ)からんでどうする」。ごっつおは、奥(おく)が深(ふか)そうである

箸(はし)で食(しょく)するのがネジラガレイ、フォークでつつくのは舌平目。ごちそうに近(ちか)づく第一(だいいっ)歩(ぽ)になるだろうか。