The Hokkoku Shimbun ひと to みらい─石川の未来へつづく、石川の人のこと。

ISSUE#18

加速する人口減少。
私たちに今できることを考えていきます。

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「5つの方向性」で効果的に推進

 SDGsとは、「持続可能な開発目標」のこと。2015年9月に開催された国連サミットで、2030年までの達成を目指す17のゴール(目標)と169のターゲット(具体目標)が採択されました。「誰一人取り残さない」を合言葉に、経済、社会、環境など広範な課題に持続的かつ総合的に取り組む世界共通の目標です。
 金沢市では昨年7月、金沢青年会議所、国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニットとSDGs推進に向けた共同研究に関する協定を締結し、3者で金沢SDGsを効果的に推進するため、金沢市独自の目標として、以下の5つの方向性を定めました。
①自然、歴史、文化に立脚したまちづくりをすすめる “古くて新しくて心地よいまち”
②環境への負荷を少なくし資源循環型社会をつくる “もったいないがないまち”
③次代を担う子供たちの可能性を引き出す環境をつくる “子供がゆめを描けるまち”
④誰もが生涯にわたって学び活躍できる社会風土をつくる “働きがいも、生きがいも得られるまち”
⑤文化や産業に革新的イノベーションが起きる仕組みをつくる “新しいもの、ことを生み出すまち”
 今年度、市民、地域、NPO、企業、行政などさまざまな人や組織と連携して、5つの方向性の実現に向けた行動計画を策定する予定です。

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SDGsをビジネスに導入

社会的課題の解決に貢献するSDGsを企業・法人経営に取り入れ、企業価値の向上やビジネス機会の拡大に結びつけようとする動きも金沢では活発化しています。

ルーティヴ
 石川県産スギ材を主に使用した木製品の企画・デザイン・製造・販売を手がけるルーティヴ株式会社(湯涌荒屋町)も、そうした企業の一社です。2017年春にSDGs宣言し、同時に世界共通のCSR(企業の社会的責任)資格である英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナーの資格を取得しました。
 「CSRの一環として取り組みを始めました。取引先など当社のステークホルダーにも関心を持ってもらえて、実際にSDGsのビジネス導入を始めたところもあります」と社長の加藤麻美さんは話します。
 SDGs宣言してからの大きな変化は、東京に本社のある大企業から問い合わせが来るようになった点だとか。「ノベルティなどの問い合わせです。普通であれば出合えないような大企業から連絡がきて、ビジネスチャンスが生まれています。SDGs導入の効果といえるでしょうね」と加藤さんは指摘します。

金沢市民発電所
 市民出資による太陽光発電設備や伐採後の竹を利用した木質バイオマス熱事業など、再生可能エネルギーの普及・拡大を目指す合同会社金沢市民発電所(二口町)もSDGsに取り組む企業です。代表社員の永原伸一郎さんは、「環境系団体からスピンアウトする形で当社は設立されており、SDGsの掲げる目標に事業内容がそのまま合致しています。事業を継続しながらSDGsのゴール達成に貢献していきたいですし、SDGsについて知らないお客様や取引先があれば、積極的に伝えていきたい」と話します。

農事組合法人One
 SDGsを農業の面から推進しようとする法人もあります。コメ、レンコン、ジャガイモなどを生産する農事組合法人One(才田町)では、昨年春にSDGsを宣言。環境保全型農業を目指しています。
 「既に実施しているところでは、農業排水の富栄養化につながる水溶性肥料を使わないようにしています。さらに、取引先にもSDGsについての理解の輪を広げ、例えば野菜の加工工場で出る残さを堆肥化し、新たな収益性を持たせつつ土づくりにも生かすプロジェクトを計画中です」と、副代表理事の宮野義隆さんは今後に向けた意欲を語ります。

ロータスコンセプト
 このほか、栽培・収穫作業に児童労働や労働搾取のないベトナム産カカオ豆を使用したチョコレートの製造・販売を手がける株式会社ロータスコンセプト(山の上町)では、「大麦ストロー」を開発し、7月上旬に発売を予定しています。
 プラスチックごみによる海洋汚染の対策として世界的にプラスチック製品の使用を禁止する動きがあり、マリンスポーツが趣味だった同社社長の蒲田ちかさんは、海の環境と生態系を守るため、大麦の茎を使ったストローを考案しました。「プラスチック製ストローの代替品として紙ストローが普及しだしていますが、原材料となるパルプの生産にも森林破壊がつきまといます。一方、大麦ストローは脱穀した後の大麦のわらを使用していて、そうした心配はありません」と説明します。
 SDGsについては、「昨年3月に知りました。宣言まではしていませんが、目標や趣旨には共感しており、SDGsに寄与する事業を今後も継続していきたいですね」と笑顔を見せます。

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市内高校でも取り組み

このほか、金沢市内では3つの高校でSDGsの目標達成に向けた方策を考える授業を行っています。

金沢西高校
 金沢西高校では昨年度、普通科の1年生が「西高SDGsプロジェクト」と題し、「総合的な学習の時間」のすべてをSDGs活動に充てました。
 有識者らを招いた講演会を4回開催したほか、SDGs推進企業47社への訪問、企業関係者に来校してもらってのアドバイス、「学生によるSDGsユースサミットJCI金沢会議2019」への参加などを通してSDGsへの理解を深める一方、学んだこと、今後やるべきことを班ごとにまとめて発表するポスターセッションを今年2月に実施しました。今年度も引き続き同様の活動を行うほか、金沢市や慶応大大学院政策・メディア研究科横田ゼミとの連携もスタートさせています。

金沢泉丘高校
 金沢泉丘高校も昨年度から、普通科1年生と同科スーパーグローバルコースの2年生・3年生がSDGsについて学び、課題解決のあり方を考察するなどしています。
 同校は文科省から、将来国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図る「スーパーグローバルハイスクール」の研究校の指定を受けており、生徒の社会課題に対する関心を高め、問題解決力を伸ばす独自カリキュラムの授業を行っています。その一環としてSDGsに関係する特別講義(ワークショップ)やロールプレイ討論会、国連大学訪問研修、ポスターセッション、「学生によるSDGsユースサミットJCI金沢会議2019」への参加などを行いました。

金沢大学附属高校
 このほか、金沢大学附属高校でも、1・2年生の「総合的な学習の時間」に設けたゼミ方式の授業「グローバル課題研究」でSDGsに関する学びを深めています。
 同校は今年3月末までの5年間、「スーパーグローバルハイスクール」の研究指定校となっており、そこで培った教育的な知見を継承・発展すべく、昨年12月に「グローバル課題研究」を新設。17あるSDGsのゴールの中から生徒がゼミテーマ、個人テーマを選び、課題解決学習を行っています。今年度は主に生徒によるゼミ内報告会を実施し、ラウンドテーブルやポスターセッションによる報告会、海外での発表会を経て、研究報告書を作成します。

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