加賀地方を中心とした記録的な大雨から一夜明けた5日、各地で被害状況が明らかになった。石川県の同日午後7時時点のまとめでは、金沢市小原町の住宅が半壊し、小松市、白山市を中心とした住宅・事業所で一部破損や浸水などの被害が計313件確認された。小松市の男女7人が低体温症などで手当てを受けたほか、河川の護岸損壊やがけ崩れ、水田への土砂流入も見つかった。
●金沢で住宅半壊 避難所に36人
梯(かけはし)川が氾濫した小松市と白山市に発令されていた、警戒レベルが最も高い「緊急安全確保」は5日午前に解除された。避難指示も金沢市の一部を除き解かれた。5日午後7時現在、小松市と金沢市の避難所4カ所に計36人が避難している。
県によると、住宅や公共建物の損壊、床上、床下浸水などの被害は計254棟だった。工場や店舗などの事業所では浸水や雨漏り、火災といった被害が59件確認された。
氾濫した梯川の支流である鍋谷川が決壊し、小松市の滓上(かすかみ)川と前川、仏大寺川で護岸の損壊が見つかった。県管理道路で13路線17カ所、国道で2路線3区間が通行止め。小松、白山、津幡の3市町の一部で断水が発生し、給水車が出動した。小松市の下水ポンプ場2カ所が止まった。
県関係施設は、県白山ろく民俗資料館(白山市)にある県指定有形民俗文化財「旧長坂家」の土壁の一部が流失。木場潟カヌー競技場(小松市)はボート乗り入れ用桟橋が破損した。白山、加賀市の水産施設では取水口が土砂で埋没し、ヤマメやイワナ計約7200匹が死んだ。
陸上自衛隊第14普通科連隊、金沢、七尾海上保安部、金沢、かほく、津幡の3市町の消防が小松市内で救助活動に当たった。