児童が流された用水で事故を振り返る(左から)正角さん、四十木さん、辺城さん、齊藤さん=富山市金泉寺

 5日午後5時20分ごろ、富山市金泉寺の用水に、近くに住む小学校低学年ほどとみられる男児が転落し、約300メートル流された。目撃した富山市北部中の男子生徒4人が周囲に助けを求め、駆け付けた人たちが救助した。市消防局によると、児童は市内の病院に搬送されたが、意識があり命に別条はないとみられる。お手柄の4人は「無我夢中で救助した。早く元気になってほしい」と話した。

 現場は同市金泉寺の金泉寺北公園東側を流れる農業用水。転落場所は幅約2メートル、深さ約1メートルで、ガードレールや転落防止柵が設置されていた。近所の住民によると、4日の雨の影響で普段より水位が高く、流れも速かったという。

 人命救助に貢献したのは四十木(あいき)優大さん(13)、正角凌千(しょうがく・りょうせ)さん(12)、辺城雄琉(へんき・たける)さん(12)、齊藤奏太さん(12)。4人は富山市北部中バレーボール部の1年生で、部活動を終えて自転車で下校中に事故を目撃した。

 4人によると、児童は既に用水に落ちた状態で、コンクリートのくぼみに両手でしがみついていた。急いで引き上げようと自転車から降りて駆け寄ったが、児童は流された。

 全員で走って追いかけながら役割を分担。四十木さんは民家に向かって大声で助けを求め、齊藤さんは道路を走る車に手を振り異変を知らせた。正角さんと辺城さんは児童に声を掛けながら追いかけた。

 辺城さんによると、児童はしばらく溺れないようもがいていたが、途中からうつぶせで動かなくなったという。異変に気付いたトラック運転手の角谷海路さん(35)=舟橋村竹鼻=が駆け付けて用水に飛び込み、児童を救助。別の男性が人工呼吸を施し、息を吹き返した。

 四十木さんは「何とか助けられて本当に良かった」と胸をなでおろした。齊藤さんも「息を吹き返したのを見てほっとした」と話した。5歳の弟がいる辺城さんは「用水は危ないと思った」と声を震わせ、正角さんも「水の怖さを知った」と振り返った。

 富山中央署は児童が用水に転落した経緯や原因を詳しく調べている。

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