マスクを着けずに下校する児童。下校時の午後2時50分の金沢市の気温は33・8度だった=同市馬場小

  ●着用習慣化、定着に時間

 29日に今年初めて石川県内に熱中症警戒アラートが出される中、県内の小中学校で「脱マスク」の動きが加速してきた。各校は登下校時や体育の授業でマスクを外すよう児童生徒に呼び掛けており、最近の暑さで「コロナより熱中症が怖い」として指導を徹底。ただ、長引くコロナ下でマスク着用が習慣化しており、教員からは「定着するには時間がかかりそうだ」との声も聞かれる。

  ●馬場小、体育はプールのみ

 保護者と児童に登下校時にマスクを外すのが望ましいと伝えている金沢市馬場小は29日、体育の授業科目をプールに限定し、昼休みに屋外で遊ばないよう指導した。体育は原則、マスクを着けていない。

 養護教諭が環境省の示す5段階の「全国の暑さ指数」をモニタリングし、必要に応じて校内放送で児童に伝えている。国分孝二校長は「教室の授業ではマスクを着用している。暑さ指数と児童の状態を見て、臨機応変に対策をとっていく」と強調する。

 「今はコロナよりも熱中症が心配。繰り返し指導し、必要ないときにマスクを着けている場面を減らしたい」と語るのは、かほく市高松小の岸洋平校長。同小では29日、登下校時のマスク不要を校内放送で改めて呼び掛けた。

 小松市にある小中一貫の義務教育学校「松東みどり学園」の廣田恵子校長は「自転車や徒歩で通学する子どもはマスク不要だが、スクールバス内では密になる恐れもあるので、着けるように言っている。場面に合わせて対応を考えたい」と話した。

 文部科学省の方針を受け、金沢市教委は今月に入り、登下校時と体育の授業時はマスクを外すよう、各小中学校に通知した。各校は学校便りやメールで保護者にも周知を図るものの、マスクの習慣化がネックとなっている。

 市内のある小学校長は「今の子どもたちは、マスクが当たり前。多くの大人たちが着けている中で、なかなか外さない、外せない部分がある」と話す。中学校長は「『なんで外していないのか』の一方で、『なんで着けていないのか』の声もある」と漏らした。

  ●「屋外では外して」 県対策会議アドバイザー・市村金大特任教授

 石川県新型コロナ対策本部会議アドバイザーの市村宏金大特任教授は「夏場に長時間マスクを着用するのは熱中症のリスクを高め、命の危険にも関わる。よほど人が密集する場所でなければ、屋外では基本的にマスクを外した方がいい」と述べた。

 市村氏は「マスクの着用は自分から感染を広げないことが主目的であり、感染を防ぐ効果はそこまで強くない」と指摘。「現状はマスクの着用が『マナー』となっているように感じる。本来の感染症対策の意味をよく考えてほしい」と強調した。

 また、市村氏は「適切にワクチンを打っていれば、コロナはほとんど重症化しない。手洗いやアルコール消毒も有効な予防法だ」と話した。

無断転載・複製を禁じます