●メディパル「側面から支援」 

 ジェネリック医薬品(後発薬)大手の日医工(富山市)の経営再建の行方に、富山の製薬企業や取引先が関心を寄せている。同社は私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を進めており、大手メーカーによる支援への期待など臆測が飛び交っている。

 「医薬品を知らない企業が手を出しても再建できない。医薬品関係企業がスポンサーになるのではないか」。今月中旬、県内の製薬企業役員は日医工の再生に期待し、こう推測した。

 日医工は「複数のスポンサー候補から資金支援の提案がある」とする。その一つが三井住友銀行などが昨年9月に組成したファンド「ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ」(東京)で、最大200億円の出資を受けることで基本合意した。

 このファンド名が公表されながらも「本命なのか」と首をかしげる向きが多いのは、経営再建の厳しさによる。2022年3月期連結決算では、純損失が過去最大の1048億円に膨らみ「200億円では到底足りない」(県内の製薬企業役員)と見えるからだ。

 薬都富山で支援企業として最有力とささやかれるのは、国内最大手の医薬品卸売業、メディパルホールディングス(HD、東京)である。昨年8月に日医工と資本業務提携を結ぶことで合意し、筆頭株主になったとみられる。

 同HDの渡辺秀一社長は今月16日の決算説明会で「(日医工を)引き続き側面支援する」と述べた。広報担当は側面支援について「医薬品の流通面で支援していくこと」とし、スポンサー支援の有無に関しては「会見で言及していない」と含みを持たせた。

  ●「出資予定ない」

 後発薬業界で近年、日医工とトップ争いを続けてきたサワイグループホールディングス(HD、大阪市)もスポンサー候補との見方がある。広報担当者は「出資予定はなく、ADRを見守っている」と話した。

 一方、後発薬大手3社の一角である東和薬品(大阪府門真市)の吉田逸郎社長は16日の決算説明会で「(日医工は)できるだけ再生してほしい」と述べた。広報担当は支援について「私が知る限り、そのような話はない」と語った。

  ●完全子会社に

 日医工と共同で、2009年に原薬製造のアクティブファーマ(東京)を設立した三谷産業(金沢市)は昨年5月、アクティブファーマの全株式を取得し、完全子会社にした。

 三谷産業は日医工本社に隣接するビルに富山の拠点を置く。広報担当者はスポンサー支援について「コメントする立場にない」とした。

 一般的な経営再建では、事業や資産が売却される例もあり、富山市の企業役員は「ビルや工場も売られる可能性がある」と予想した。日医工が今後、どのような再生計画を作成するのか。医薬品業界に限らず、関心を持つ企業が水面下で情報を集める状況が続きそうだ。

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