宵祭りで町内を練り回る曳山車=富山市岩瀬白山町

 2年連続で中止となっていた富山市岩瀬地区の「岩瀬曳山車(ひきやま)祭(まつり)」が17、18日、3年ぶりに行われる。山車が巡行する「曳き回し」と、夜に激しくぶつかり合う「曳き合い」の実施が決まっており、山車を持つ町の若衆は「祭りを待ち望んでいた」と熱い血をたぎらせている。16日は宵祭りが行われ、趣向を凝らした飾り「たてもん」に彩られた山車が港町にお目見えし、祭りムードを高めた。

 曳山車祭は岩瀬諏訪神社の春季例大祭で、11基が木遣(きや)り唄と囃子(はやし)に合わせて港町を2日間にわたって練り回る。富山県内の豪華絢爛(ごうかけんらん)な他の山車とは趣が異なり、頑丈な造りが特徴で、タイなどが描かれた色鮮やかな「たてもん」が飾られる。祭りの呼び物は夜の「曳き合い」で、激しいぶつかり合いから「けんか山車」の異名でも親しまれている。

 2020年、昨年は新型コロナウイルス感染防止のため中止を余儀なくされた。今年は実行委員会などが4月に感染対策を徹底した上での開催を決定。曳き回しと曳き合いは新型コロナの県独自の警戒レベルが最も低いステージ1を維持していることから、各町の判断による実施を15日に決めた。今年は6町の曳山車が練り、残る5町は感染防止の観点から見送る。

 山車を出す各町内は、曳き子のマスク着用、検温、手指消毒などを徹底する。実行委は会場の密集を回避するため、積極的なPR活動を行わなかった。当日は見物客に制限を設けないが、基本的な感染対策を守ってもらう。石川哲男実行委員長は「曳き子はマスクで息苦しく、大変だと思うが、安全を確保しながら成功させたい」と話した。

 16日の宵祭りでは、6町の曳山車が次々と各町内を練り、日が暮れると明かりのともった「たてもん」が幻想的に浮かび上がった。祭りの再開に曳山車を出す白山町の総責任者の森崇敏さん(48)は「3年ぶりなので、みんな例年になく気持ちが高ぶっている。子どもたちに伝統をしっかり伝えていきたい」と意気込んだ。新町の総責任者である日出島剛さん(58)は「来年の通常通りの開催につながるよう、けがや事故なく取り組みたい」と気を引き締めた。

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