過去最大の最終赤字となった日医工の主力・富山第一工場。生産の停滞が続いている=昨年4月、滑川市下梅沢

 ジェネリック医薬品(後発薬)大手の日医工(富山市)は13日、私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請し、受理された。取引金融機関に債務の一部を減免してもらい、事業を続けながら再生を目指す。同日開示した2022年3月期連結決算は、純損益の赤字幅が前期の41億円から過去最大の1048億円に拡大した。

 13日の取締役会で申請を決議した。申請先はADRを扱う国内唯一の専門機関「事業再生実務家協会」(東京)。再生計画の策定には全機関の同意が必要で、今後、金融支援を巡る協議が本格化する。

 同意が得られない場合、特定調停や会社更生法、民事再生などの法的整理に移行する可能性がある。

 日医工は「全金融機関と協議し、ADRの成立を目指す」としている。26日に第1回債権者会議を開き、金融機関に事業再生計画案の概要を提示する。

 日医工によると、当面の資金繰りを確保するため、メインバンクの三井住友銀行から融資枠を確保した。取引行の一つである日本政策投資銀行などが出資するファンド「ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ」(東京)から最大200億円の出資を受けることでも基本合意した。

 日医工広報担当者は「手続きは金融機関が対象。顧客や仕入れ先など一般取引先に影響はない」としている。

 東京商工リサーチによると、日医工の22年3月期末時点の借入金は1626億円。取引行は三井住友銀や北陸、北國、富山の3地銀などで、うち北陸銀は債権額が193億円と公表し「22年度の業績予想に変更はない」と説明した。

 日医工は昨年3月、国の承認外の不適正製造が明るみになり、富山県から業務停止命令を受けた。22年3月期は主力の富山第一工場(滑川市)の生産停滞や子会社の売り上げ減少、米国での事業不振が影響した。

  ●連日ストップ安

 東京株式市場で13日、日医工の株価は2日連続で大幅下落した。終値は前日から100円下げ、値幅制限いっぱいのストップ安水準である522円となった。

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