観測された蜃気楼=25日午後2時ごろ、魚津市沖の富山湾(魚津埋没林博物館提供)

 魚津市沖の富山湾で25日、2日連続となる今年14回目の春型(上位)蜃気楼(しんきろう)が観測された。鮮明度は今年初めて、上から2番目のBに格付けされ、変化が肉眼でも確認できた。同市の魚津埋没林博物館によると、今年は1992(平成4)年の観測開始以来、年間最多記録の42回を更新しそうなハイペースの出現が続いている。

 博物館によると、25日は午前9時ごろから富山方面の沿岸や新湊大橋の橋脚などに変化が確認された。午後2時40分ごろからは、富山方面から黒部方面にかけて広範囲の景色や護岸などが伸び上がったり反転したりした。

 海の駅蜃気楼近くの観測スポットには多くの愛好家や観光客が集まり、刻々と変化する幻想的な風景を楽しんだ。蜃気楼研究会の髙山洋昭さん(81)=魚津市吉島=は「変化が明瞭な時間帯が長かった。連休前の良い景気づけになった」と笑顔を見せた。

 同博物館によると、年間の過去最多は2018年の42回。昨年は、2月に初めて月間最多の4回を観測するなど、年間記録更新の期待が高まったが、通年では39回にとどまった。今年は2月の観測がなく、3月も2回だったものの、今月に入り過去最長タイの5日連続出現を記録するなど急増し、25日時点で昨年同期を2回上回るペースとなっている。

 同博物館の佐藤真樹学芸員は、今月の気象条件について、日本の東に高気圧が停滞する時期があるなど晴れ間が多く、蜃気楼の発生しやすい状況が続いたため、出現回数が増えているとみている。

 北陸地方は今後3カ月間、暖かい空気に覆われやすく、気温も高いと予想されることから、佐藤学芸員は「これからも観測に期待が持てる」と話す。蜃気楼研究会会長の野村英樹さん(56)は「(蜃気楼を)一度見れば魅力が伝わるので、多くの人に魚津を訪れてほしい」と歓迎する。

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