暴風にあおられて倒壊した木造2階建て空き家=南砺市井波(住民提供)

屋根が吹き飛んだ子育て支援センターを視察する砺波市の関係者=同市庄川町青島

電線に引っ掛かった倒木=立山町小林

強風で定位置から歩道側にずれた信号機=砺波市頼成

 春の嵐が吹き荒れてから一夜明けた27日、富山県内では空き家の倒壊や倒木、信号機、バス停留所標識の変形など被害が次々と明らかになった。富山市消防局には26日昼から夕方にかけて風害対応や強風による負傷者搬送の通報が相次ぎ、出動件数は速報値で139件に上った。27日は一転、青空が広がり、各自治体や住民は台風並みの爪痕の確認と後始末に追われた。

 南砺市井波では木造2階建て空き家が強風にあおられ、倒壊した。市によると、市内では市総合文化センター屋上の防水シート、倉庫や民家の屋根が剥がれて飛ばされた。屋敷林が倒れる被害も確認された。

 砺波市の被害現場4カ所を視察した夏野修市長は「実際の被害の大きさが分かった。早く復旧に当たりたい」と話した。27日の臨時庁議では、風で飛んだトタンが当たるなどして重傷者1人、軽傷者2人を確認したことが報告された。同市太田では空き家を囲むスギ3本が折れて市道をふさいでおり、夏野市長は早急に処理する考えを示した。

  ●信号機ずれる

 同市頼成の国道359号交差点では、車の進行方向に対して信号機の位置が大きくずれる被害が確認され、山から吹き下ろす南風の強さを物語った。

 立山町の臨時危機管理連絡課長会議は27日、町役場で開かれ、負傷者6人、民家や企業倉庫など6棟の破損が報告された。同町小林、吉峰野開では町道がそれぞれ倒木で一部通行止めとなっている。舟橋貴之町長は「すぐにできる対応は急いでしてほしい」と職員に指示した。

 小矢部市によると、市内で住宅2棟の外壁や屋根が飛ばされる被害があった。26日は20~30軒で、ケーブルテレビやケーブル電話が一時不通となった。

 最大風速が台風並みとなった富山市中心部でも信号機が変形したり、バス停留所の標識が根元から大きく傾いたりする被害が確認された。市消防局によると、26日の出動件数の総計は今年度最多となる195件を数え、このうち風害対応が118件、強風による救急搬送が21件だった。

 富山市消防局は警備本部を設置して通常より増員していたが、職員はひっきりなしに入る通報対応に追われた。通信指令課の担当者は「台風の規模によるが、台風の時よりも件数が多いと感じる」と振り返った。

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