自宅の居間で楽曲制作に取り組む立塚さん夫婦=立山町五郎丸

  ●五郎丸・立塚さん夫婦「歌で町を盛り上げたい」 二人三脚で制作、収録

 入善町出身の音楽アーティスト立塚悟司さん(48)と、妻の渚(なぎさ)さん(33)は、立山町五郎丸の自宅居間から世界へ楽曲を配信している。DJやバンドなど多彩な音楽活動を展開し、夫婦二人三脚で制作した「リビングルーム発」の曲は国内外から注目を集め始めている。「立山町をPRする歌も作り、住民と一緒に町を盛り上げたい」。コロナ禍を機に、ふるさと富山に軸足を置いた2人はグローカルな活動に意欲を新たにしている。

 立塚さんは「タテヅカ2000」の名で活動しており、イベント企画などを手掛ける会社「Sweetness(スイートネス)」を夫婦で運営。都内を拠点に活動していたが、新型コロナウイルスの影響で仕事が激減し、音楽活動も縮小を余儀なくされた。情報通信機器の急発展もあり「仕事の打ち合わせも、曲の制作も東京にこだわる理由がなくなった」と、2年前から渚さんの実家のある立山町で暮らし始めた。

 音楽はCDからオンライン配信で聞く形に移り、録音機材も高性能な品を安く購入できる時代。自宅で曲を作り、レコーディングは居間をスタジオ代わりにしている。昨年7月から「毎月リリース」を掲げて新曲を配信し、海外へ積極的に自身を売り込み始めた。

  ●音楽の東京国際市場参加で海外から注目

 12月に富山市内や都内のアーティストと共に楽曲「Gift03」を制作。今年1月には黒部市の知人アーティストと共同で新川地域の市外局番を曲名にした「0765CALLING」を作った。

 転機は昨年の東京国際ミュージック・マーケット(中心会期11月1~3日)だった。日本音楽の海外展開を目的に経済産業省などが主催するイベントで、エイベックスやコロムビアなど日本の主要音楽会社が名を連ねる中、「スイートネス」は21社の一つとして参入。立塚さんは参加アーティスト254組のうちの1人にも選ばれた。

 オンライン商談会でカナダのイベント会社や中国の音楽会社から高評価を受けた。パフォーマンスで直接アピールする1月の「ショーケースライブ」では「Gift03」など4曲を披露し、動画投稿サイト「ユーチューブ」の再生回数が10万回を超えた。米国のラッパーとも知り合い、合同で曲のリリースを目指している。

 現在、2人は知人の女性3人組ボーカルグループ「grava(グラーヴァ)」と、富山市中心部を舞台とした市民参加型のオリジナル曲制作プロジェクトを進め、歌を通じたまちの活性化にも情熱を注ぐ。

 立塚さんは立山町や県内のにぎわい創出に強い思いを寄せ「富山にいても世界へ音楽を届けられる。若いアーティストに伝え、一緒に盛り上げてくれる人を増やしたい」と意気込んだ。

無断転載・複製を禁じます