漆を施したリバーシ=高岡市中川園町

船の形に着目した香立て=高岡市木津

 ●26日から展覧会 青年会が企画

 高岡伝統産業青年会(高岡市)が銅器や漆器製品の図案を募り、伝統産業の可能性を探る「高岡伝産デザインマッチング」で、会員と全国のデザイナーによる新製品の開発が進められている。異業種の視点を取り入れながら新たな需要発掘や産業の発信を図ろうと初めて企画。26日からの展覧会に向け、6組のチームがオンラインを活用しながらこれまでにない発想で伝統の技を発揮している。

 「漆芸吉川(よしかわ)」(同市中川園町)の蒔絵(まきえ)師吉川和行さん(36)と楽器のデザインに携わるデザイナー寺﨑吉伸さん(37)=静岡県浜松市=は、漆のリバーシ(オセロ)を制作している。寺﨑さんは子どもから大人までが楽しめるボードゲームで漆の手触りを感じてもらおうと提案。以前からおもちゃのように気軽に扱うものに漆を施したいと考えていた吉川さんとマッチした。

 ゲーム盤のマスにくぼみを作ることで木目のゆがみを面白く見せ、石は手になじむ形にこだわった。展示品は金粉、青貝、卵殻などを用いた蒔絵技法を駆使して石を加飾し、さまざまな伝統技法の美を伝える。

 高和製作所(高岡市木津)の鋳造職人上坂佳広さん(38)と「DESIGN COMPANY CUMO(デザイン カンパニー クモ)」(東京都板橋区)のデザイナー鳥山翔太さん(30)、柳澤駿さん(同)のチームは日本海の港町をイメージしたブロンズ製の船の形の香立てを企画した。3Dプリンターで作った原型を、「ロストワックス鋳造」で精密に再現した。煙突から煙が高く立ち上るよう形状にこだわった。展示では銅の着色技術を用い、温度で色の変化をつけた3種類が並ぶ。

 高岡伝統産業青年会は27年前から、首都圏を中心に会員が手掛けた銅器、漆器製品を披露する場として「かほり展」を開催してきたが、コロナ禍で県外での出展ができていなかった。

 試作品は26日~3月5日、高岡市守山町の西繊ビルで開かれる「暮らしに生きる伝統のかほり展2022」で披露され、今後、本格的な商品化を目指す。26日は職人とデザイナーによるトークライブが行われ、オンラインで配信される。

 かほり展委員長の般若雄治さん(37)は「どのチームも今回の経験をきっかけに新たなものづくりにつながっていきそうだ」と話した。

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