尾長氏の独創的な作品に見入る来場者=富山市の県水墨美術館

開場式でテープカットする関係者

 富山県水墨美術館の「ひらけ墨画(ぼくが)ワールド 子どもたちとともに 尾長良範(おながよしのり) 筆あとから」(同館、同館友の会、富山新聞社、北國新聞社、チューリップテレビ主催)は14日、富山市の同館で始まった。氷見市出身で日本画家の尾長良範氏(60)=武蔵野美大主任教授=による、従来の古典的な水墨表現を打ち破る作品20点が並び、来場者を魅了した。

 同展では尾長氏の画風を3期に分け、1980年代から現在までの作品を展示。86年の『wednesday』は花鳥風月ではなく、身近な生活から題材を探して描いている。

 2000年以降の『zone』では松や月などの古典的なモチーフに独自のアプローチで挑んでいる。近作では、日常生活から題材を探して色彩を効果的に使っており、絵画表現の変遷が見て取れる。

 初日は尾長氏が来場者に作品を解説。1980年代の作品について「日本画は重厚なものが多かったが、もっと身近なところから展開できないか考えた」と説明した。自宅の居間などを描いた近作については「シンプルなものが原点。筆あとを塗るようにしたが、自分らしさは残っている」と語った。その上で「先入観なく、楽しんでいただきたい」と呼びかけた。

 富山県立近代美術館勤務時代に尾長氏の作品展示を手掛けた片岸昭二福光美術館長は「色の使い方が秀逸。若い時から注目していた」と評価した。県民会館文化友の会の梅田ひろ美会長は、尾長氏の父で漆芸作家の保氏のファンで「息子さんがどんな風に(技量を)伸ばしてきたのかを楽しめた」と喜びを表した。

 同展には昨年7月に尾長氏が講師を務めたワークショップで、児童が描いた作品も展示されている。

 開場式では、知事代理で出席した横田美香副知事があいさつし、尾長氏、温井伸北國新聞社社長らとともにテープカットした。

 同展は3月6日まで。観覧料は一般500円、大学生250円、高校生以下無料。

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