無償提供する牛乳と樋口社長=富山市林崎のとやまアルペン乳業

 とやまアルペン乳業(富山市)は20日から1カ月間、学校給食用の生乳から製品化した県産牛乳を無償提供する。酪農乳業界は近年、国産生乳の増産に取り組んできたが、コロナ下で需要は落ち込み、加工品の在庫は山積みに。年末年始に大量廃棄が危惧される中、余剰乳を有効活用する団体や施設を探している。

 ●活用の施設、団体求む

 取り組みは北陸酪農業協同組合連合会などの事業の一環。同社は「とやまの牛乳200ミリリットル」を、県内の医療や福祉の施設、フードバンク、子ども食堂などに施設・団体単位で提供する。

 同連合会によると、酪農乳業界ではバターの品薄などの問題を解消するため国産生乳の増産に力を入れてきた。ただ、新型コロナウイルスの影響で業務用バターや脱脂粉乳などの需要が落ち込み、在庫が増えた。

 年末年始は学校給食がなく、一部の小売店も休業する消費が最も少ない時期。とやまアルペン乳業によると、県内の余剰乳はこれまで県外の工場に出荷され、バターなどの加工品とされてきたが、今冬は大量の在庫で受け入れてもらえない可能性が大きいという。

 生産者や販売店、乳業者らでつくる「Jミルク」の試算では、年末年始に全国の乳製品工場を最大限稼働しても約5千トンの生乳が廃棄される。とやまアルペン乳業は約1万5千本の牛乳の提供を目標に掲げるが、14日時点で予約は6千本にとどまっている。

 富山市内では6月、別の業者の牛乳を飲んだ児童生徒や園児ら約1900人が食中毒になった。「悪いイメージを払(ふっ)拭(しょく)するためにも富山のおいしい牛乳の良さを多くの人に知ってもらい、生産者を守りたい」。樋口俊幸社長は、提供先となる団体や施設の協力を求めている。

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