南砺の工房「Sデザイン」が開発した新型車「SD―2」=南砺市桜ケ池クアガーデン前

風圧対策で逆向きに開くボンネット。エンジンが見えるよう一部が透明になっている

 ●86ベースの「SD-2」 映画のヒーローイメージ

 南砺市池尻の乗用車ボディーを手掛ける工房「Sデザイン」は9日までに、トヨタ自動車の小型スポーツカー「86(ハチロク)」をベースにした新型車「SD―2」を開発した。ハリウッド映画のヒーローが乗る車をイメージした外観で、制限速度の高い海外用の風圧対策を施している。国内で発売したほか、外観キットの海外輸出を狙っており、米国に来年、販売代理店を置く。

 新型車は流麗なカーブを描くボディーや、鋭く前に出たバンパーを備え、ボンネットの一部を透明にしてエンジンを見せるなどデザイン性の高い仕上がりとなっている。

 ボンネットは、一般的な国産車と逆のフロントガラス側から開く仕組みで、海外で高速走行しても風圧でボンネットが揺らがないよう工夫した。

 Sデザインは、佐野雅幸さん(45)が代表だった工房「サノデザイン」が前身。2019年にタイで開かれたモーターショーに新型車の原型を出品して反響が大きかったため、海外への販路拡大に向けて同9月、産業廃棄物処理などを手掛けるアース・コーポレーション(富山市)の傘下に入り、車両部門の部長に就いた。

 完成した新型車を販売するほか、顧客が持ち込んだ86への外観キット取り付けと塗装、外観キットのみの販売を取り扱う。新型車の製造は月2台ペース、外観キット製造は月4台ペースを見込んでいる。

 ●既に3人から受注

 価格は86持ち込みが約200万円(税抜き)、外観キットのみが96万円(同)で、完成車はベース車両の値段に応じて変動する。カスタムカー販売店や個人から毎日のように数件の問い合わせがあり、既に20、30代の3人から受注した。

 サノデザイン時代に市販車をベースに開発した「SD―1」に続き、佐野さんにとってオリジナル車の製造は2車種目となる。佐野さんは「今後、ドバイなどの海外富裕層も狙っていきたい。米国ラスベガスで毎年開かれる世界最大級のカスタムカーイベントに、いつか出展したい」と意欲を語った。

 ★86(ハチロク) トヨタ自動車と富士重工業が共同開発した後輪駆動の本格的な小型スポーツカーで、2012年に発売された。もともとハチロクは、1980年代に販売され、人気を集めたカローラレビンやスプリンタートレノ共通の車両型式「AE86」にちなんだ愛称だった。

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