原木を切り出す関係者=金沢市樫見町

  ●里山に好循環、獣害対策にも

 金沢森林組合がシイタケやナメコ栽培用に提供している原木の売れ行きが好調となっている。昨年度は用意した1千本が完売し、今年度は12月から来年4月上旬まで1500本以上の生産を見込む。里山の森林に人の手を加えることで、人里と奥山の緩衝帯としての機能を回復させ、獣害対策にもつながっている。

 組合は3年前から原木の製造を始めた。金沢市樫見町の山中に生えるコナラを活用している。組合によると、原木シイタケの家庭栽培の人気が高まり、昨年は県外からも買い求める人がいた。

 個人の愛好家から引き合いが多く、原木を受け渡す際や販売後の電話などで、栽培方法を助言する取り組みも好評を得ている。

 近年では、組合員が「自分の山にある木は太すぎて切れない」として、原木を購入するケースも増えているという。

 原木は直径10~13センチ未満が600円、13~15センチ未満が700円、15センチ以上が800円(いずれも税込)。菌を植えた後、雨が降りかかる庭木の根元など、湿度の高い屋外に置いておくと、1~2年でシイタケやナメコが生える。

 組合によると、コナラの伐採を始めて以降、犀川地区の住民から「サルやイノシシの出没が少なくなった」との声が寄せられている。樹齢30年ほどのコナラを原木として切り出すことで、切り株から芽が出て、森林の若返りにもつながる。

 組合の紙谷拡志さん(38)は「多くの人にキノコを育てる楽しみを味わってもらい、里山に好循環をもたらす活動を広げたい」と話した。

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