廣貫堂が9日に自主回収を始めた医薬品の一部のパッケージ

 医薬品製造販売の廣貫堂(富山市)が9日に自主回収を始めた14製品のうち、4製品で製造販売承認書の記載と異なる添加物を使っていたことが、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の公表した資料で分かった。さらに4製品は品質検査の承認規格に適合しておらず、1製品は原薬の受け入れ試験記録が見つからないため試験を実施したかどうかも確認できないなど、ずさんな製造を浮き彫りにした。

 PMDAの資料によると、回収14製品の内訳は▽承認書と異なる添加物を使った4製品▽承認書に未記載の方法で製造した材料を使用した1製品▽製造後に一定期間を経た品質検査で承認規格に適合しなかった4製品▽承認規格に不適合の可能性がある4製品▽試験記録がない1製品-となっている。

 ビタミン含有保健薬「パピアセンG7」、胃腸薬「新マルコターンソフト」、保健強壮剤「ファイトタイムV」、健胃薬「ワクナガ胃腸内服液N」の4製品に使われていた承認規格外の添加物は「ポビドン」だった。富山新聞社の取材に対し、廣貫堂はポビドンを使った経緯などについて、「社内調査中」として詳細を明かしていない。

 強心薬「虔脩感應丸(けんしゅうかんのうがん)」は承認書の記載と異なる製法で作った成分「ネオブラーゼ」「胆黄1号」を使用していた。廣貫堂ホームページによると、ネオブラーゼは牛胆汁の脱脂成分、胆黄1号は牛胆汁の抽出成分としている。

 今回の回収対象は計144万1870個に及び、10製品は既に生産が停止されている。PMDAの資料によると、いずれも重篤な健康被害が生じる恐れはないとするが、6製品は「有効性が懸念される」としており、もともと期待された効果がない可能性もある。

  「消費者目線足りない」

 一連の自主回収と廣貫堂側の対応について、首都圏で配置薬販売会社を営む男性は「エンドユーザー(消費者)の目線が足りないから、われわれ販売業者に全く謝罪もないのではないか」と厳しい口調で指摘した。

  「必要な指導行う」新田知事

 富山県の新田八朗知事は廣貫堂の自主回収問題について「県としては引き続き適切な回収や調査を行うように必要な指導を行っていく」との見解を示した。

 調査の進ちょく状況や行政処分の判断の見通しについても問われたが、「調査が進行中で、それを踏まえて今後のことを考えたい。(判断まで)どれぐらいかかるかや、進ちょくは今後の調査に支障も出るので、ここでは公表できない」と述べるにとどめた。

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