M&Aが実行され、県外展開も期待できる七越の店舗=富山市内

 あんを詰めた生地を焼く「七越焼(ななこしやき)」を製造する七越(富山市)は1日、菓子メーカーの栃木屋(広島市)の子会社となった。七越焼は年100万個を売り上げる富山名物で、製法や富山市内の直営4店は承継される。七越は富山県内を中心に事業展開してきたが、今後は全国に販路を持つ栃木屋との連携により、県外の知名度向上が期待される。

 店舗と地元スーパーで商売する七越に対し、栃木屋は百貨店に販路を持つが、北陸での販売力が弱く、店舗運営のノウハウもない。双方の強み、弱みを組み合わせ、七越のパック詰め粒あんを全国流通させ、県外出店で七越焼を提供する展開を視野に入れる。

 M&A(合併・買収)に際し、七越社長の杉田正治氏(78)ら一族が全株式を栃木屋に譲渡。杉田氏は七越顧問に就き、栃木屋の七森正史社長(44)が両社長を兼ねる体制に移行した。

 両社は共に1953年設立で、売上高は七越が1億円台半ば、栃木屋が2億円台半ば。七森氏は「七越のあんはあっさりと甘く、粒が立つ。地域での確固としたブランド力もある」と評価。高齢を理由に後継者を探した杉田氏は「ないものを補完し合える相手に出会えて良かった」と喜んだ。

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