かぜ薬を追加回収する廣貫堂本社=富山市梅沢町2丁目

 医薬品製造販売の廣貫堂(富山市)が承認外の不適正な方法で配置薬を製造していた問題で、同社がかぜ薬約16万2千個を回収対象に追加していたことが、20日分かった。同社は「当初の発表に誤りがあった」と認めた上で、富山新聞社の取材に対し、弁護士ら第三者組織に調査を依頼する方針を明らかにした。

 廣貫堂は12日、国の承認外の添加剤を使用したり、品質検査で承認規格に適合しない製品が確認されたとして、配置薬10製品の回収を発表した。回収総数は335万9140個と説明していたが、社内調査で改めて確認したところ、352万1465個と分かったとしている。

 同社の担当者は「最初に回収製品を調べた時にミスがあった。故意に少なく発表したわけではない」と説明した。

 回収対象に追加したのは、かぜ薬の「顆粒(かりゅう)ネオ眞治S」の特定ロットで、使用期限が来年1月の製品。このほか、当初発表した一部製品の使用期限や出荷数量、出荷日に誤りがあったとして訂正した。

 回収対象品目はホームページで公開しており、同社は該当する場合、回収すると通知してきた。顧客が誤った発表内容と、製品の表示を照らし合わせ「回収対象外」と認識したケースもあるとみられる。

 客観性確保で信頼回復 不適正製造の経緯不明「信じがたい」声受け

 廣貫堂はこれまでの社内調査の結果、不適正製造の始まりや理由は不明と説明しており、富山の薬業関係者からは「信じがたい」との声も漏れていた。同社は年内に全195品目を調査する方針で、客観性や透明性を確保することが信頼回復につながるとみて第三者に依頼するとみられる。

 同社の担当者は20日、第三者による調査について「誰に依頼し、いつから始まるかは現段階で決まっていないが、社外に依頼する方針だ」と話した。

 第三者による調査に関しては、医薬品の不適正製造・品質管理で今年3月に行政処分を受けたジェネリック医薬品(後発薬)大手の日医工(富山市)が都内の法律事務所に調査を依頼し、同事務所の報告書を富山県に提出している。

 睡眠導入剤成分を混入させた小林化工(あわら市)では今年5月、創業家出身の社長が引責辞任し、後任に弁護士が就任しており、第三者による経営刷新をアピールした。

 県内の薬業関係者によると、医薬品製造企業が取引先や顧客から信頼を失えば「存亡に関わる事態」となりかねない。廣貫堂は同業他社から委託を受けた医薬品も製造しており、県内の医薬品企業役員の一人は「取引継続のためにも、しっかりとした調査が必要だ」と指摘した。

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