和漢薬など10製品の自主回収を開始した廣貫堂本社工場=富山市梅沢町2丁目

 昭和期から不正状態 

 医薬品製造販売の廣貫堂(富山市)は12日、国が承認していない不適正な方法で医薬品を製造していたとして、「胃腸反魂丹(はんごんたん)」など配置薬10製品の自主回収を始めたと発表した。同社によると、承認書に記載のない添加剤を使用したケースがあり、一部製品は品質検査で規格を満たしていなかった。同社は「一部製造は昭和期から不正な状態だったとみられる。現時点で健康被害の報告はない」としている。

【関連記事 「不正、あの廣貫堂も」】

 廣貫堂によると、富山県が10月1日に実施した立ち入り検査で不適正な製造を指摘された。承認外の製造を巡っては、県が医薬品医療機器法に基づき、法令違反と指摘するケースが相次いでおり、同社の塩井貴晴社長は取材に対し「健康被害の恐れは低いが、会社としての責任は大きいと考える」と述べた。

 回収対象は胃腸薬やかぜ薬、せき止め、鎮痛薬など計335万9140個に上る。10製品のうち9製品は使用期限内の全ロット、1製品は不適正な方法で作った全ロットを回収する。出荷日が最も古いのは「散剤せきどめ『廣貫堂』」で、5年前の2016年12月21日以降の全出荷分が該当する。

 医薬品メーカーは本来、厚生労働省が認めた製造販売承認書に沿って薬を作らなければならない。ところが、同社は承認書に未記載の添加物を使い、記載と異なる分量や内容の添加物を使用した。製造後の一定期間ごとに実施する品質試験で承認規格から外れた製品も確認された。

 同社はホームページで「多大な迷惑、心配をかけ、深くお詫(わ)びする」とコメントを掲載した。回収品の多くは全国の家庭などに配布されており、配置薬業者を通じて回収を通知するとしている。

 同社は自主回収に合わせ、富山市の本社工場と滑川市の滑川工場の生産体制を点検するため、自社製品の医薬品・医薬部外品計195製品の生産を停止した。承認通りの製造が確認され次第、順次生産を再開する。

 県「悪質性考慮し処分」 

 県くすり政策課によると、承認書と異なる方法で製造した医薬品メーカーには、悪質性などの基準に照らした上で行政処分の有無を決める。廣貫堂に関し、新田八朗知事は富山新聞社の取材に「今の時点では調査中としか言えない」と語った。

 回収対象の医薬品は次の通り。

 胃腸反魂丹、浄血丸、顆粒ネオ眞治S、広貫堂複方熊膽丸(ゆうたんがん)、廣貫堂ネオ眞治S、廣貫堂胃腸薬細粒、散剤せきどめ「廣貫堂」、チュアマシンA、歯痛頭痛ヒロリン、パナワン「廣貫堂」

無断転載・複製を禁じます