「第6波」への警戒を求める県医師会の馬瀬会長(左)=県議事堂

 新型コロナウイルス感染の第5波が落ち着きを見せる中、富山県内の医療従事者が感染の第6波への備えを急いでいる。自宅療養となった患者への医療提供体制の構築を進めているほか、8日は自民党県連に軽症者らを受け入れる県の宿泊療養施設の機能拡充などを求め、馬瀬大助県医師会長は「第6波は必ず来る」と警鐘を鳴らした。

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  福井の施設で40人全員が接種後感染

 県議事堂で開かれた自民党県連政調会福祉環境部会に出席した馬瀬会長は、9月に福井県の介護老人保健施設で発生したクラスター(感染者集団)の感染者約40人全員がワクチンを2回接種後に感染する「ブレークスルー感染」だったと紹介。感染者と密室で長時間一緒にいた場合、2回接種していても感染してしまうと警戒を強めた。

 第6波対策として、ウイルスが外部から持ち込まれて施設内で拡大するのを防ぐため、医療現場で使われている新型コロナの抗原検査キットの貸し出しを要望。最初の感染者をできる限り早く把握できる体制が必要とした。

 自宅療養者が出た場合に備え、富山市保健所や県の厚生センターを通じて支援体制構築に向けた準備を進めていると紹介。小児科、精神科、産婦人科の各医会では、感染直後の対応を確認したという。

 県看護協会や県看護連盟は、ワクチン接種が進んだことで無症状の陽性者が増加しているとし、市中感染を防ぐ上でも抗原検査キットの普及が必要とした。宿泊療養施設の入所者が軽症から容体が急変した場合のため、早期に治療ができる体制整備も求めた。感染リスクの最前線にいる医療従事者の負担軽減を図るため、3回目のワクチン接種も医療従事者への優先接種を要望した。

 馬瀬会長は「第6波は、ほとんどの人がブレークスルー感染するとして、医療体制は宿泊療養施設を中心に確保しておくことが必要だ。多少お金がかかっても人の命が懸かっている」と強調した。

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