四ツ葉園での感染予防対策を紹介する山城客員教授(中央)=上市町稗田

 今年4月に新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した上市町の知的障害者支援施設「四ツ葉園」は10日、感染者の発覚、拡大、収束に至る経過や対策を紹介する報告会を開いた。知的障害者が入所する富山県内20施設などの関係者がオンラインで参加し、感染予防に役立てる。専門家や職員は感染予防の難しさを指摘し、入所者を少人数のグループに分けて接触機会を制限するなどの対策を紹介した。

 四ツ葉園でクラスターが発生した後、5月には射水市七美の障害者支援施設「いみず苑」で入所者ら60人に感染が広がり、県内最大のクラスターが発生。同様の事情を抱える県内の他施設に不安が広がっていることを受け、報告会を開いた。

 四ツ葉園では4月10日に職員1人の感染が判明し、同22日までに女性入所者15人を含む計18人に広がり、県内初の障害者支援施設のクラスターとなった。同30日までにさらに7人の陽性が確認され、感染者は計25人を数えた。

 同園で指導に当たった富大医学部・山城清二客員教授は知的障害者の抱える問題として、マスク着用や手指の消毒といった基本的な感染予防の行動を嫌がる傾向があることを挙げ、「感染リスクが高いことを前提にいかに被害を最小限に食い止めるかを考える必要がある」と指摘した。

 同園では、女性入所者を2グループに分け、食事やトイレなど全ての行動を別々にしたことを紹介した。感染区域と非感染区域を分ける「ゾーニング」の徹底も重要とした。

 藤木和美施設長は入所者のストレス軽減にも配慮する必要があるとし「施設内に音楽を流したり、職員が意識的に声を掛ける頻度を多くしたりして対応した」と話した。

 県から派遣された医療チームの佐藤幸浩かみいち総合病院副院長は、感染者が出た場合の対処法を事前に決めておくことを推奨し、「最初の感染者が出た時に男女別に生活空間を分けたのは適切な対応だった」と評価した。

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