これまでのレースを振り返り、仕事とマラソン両立のコツを話す川内さん=富山市内のホテル

  仕事とマラソンの両立語る

 富山新聞政経文化懇話会5月例会は17日、富山市のホテルグランテラス富山で開かれ、プロランナーの川内優輝さん(あいおいニッセイ同和損害保険)が「マラソンを通じて駆け抜けてきた世界」と題して講演した。長年、「最強市民ランナー」として世界で活躍してきた川内さんは、「1日1回の練習に集中する」など仕事とマラソンを両立させる極意を語った。

 川内さんは2019年にプロに転向するまで埼玉県庁職員として大会に出場し、世界最高峰のボストンマラソンで優勝するなど活躍。フルマラソン2時間20分以内を通算100回達成したとしてギネス世界記録に認定され、今年2月には33歳で2時間7分27秒の自己ベストを記録している。

 川内さんは高校まで県大会レベルの選手で、けがで苦しみ、駅伝強豪校ではない学習院大に進んだと自己紹介した。強豪校では1日3回練習するところもある一方、学習院の練習は1日1回で「メリハリがついた」と指摘。よく考えながら自分に合った練習をすることで陸上が好きになり、記録が伸びたと語った。

 市民ランナーの場合、ハードな練習は平日1日、休日1日の週2回とし、あとはジョギングや通勤ランにとどめるのが、仕事と両立させるコツと説明。コロナが収束して各地で大会が復活すれば、レースに参加して「自分1人ではできない追い込み」をすることで強くなれると強調した。

 川内さんは、これまで世界各地で走ったレースを振り返り、秘話を披露した。大学3年時、日本学生ハーフマラソンで6位だったが、上位5選手が箱根駅伝を理由に海外派遣を辞退したため、ニューカレドニア国際マラソンに派遣された逸話を紹介。その際、同じくランナーの妻・侑子さんと出会ったとし「世界に目が開けただけでなく、結婚もできた。上位5人が辞退してくれて、すごく人生が変わった」と語り、会場から温かい拍手を受けた。

 川内さんは16日に富山市内で行われた第18回とやま清流マラソン(同マラソン実行委員会、富山新聞社主催)にゲスト出場した。

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