農業用水路の危険箇所に応急対策でチェーンを張る参加者=富山市内

 富山県の「春の農業用水路転落事故防止強化期間」が20日始まり、県内各地で危険箇所の一斉点検が行われた。昨年度の用水路の転落死亡事故は21件と、4年ぶりに20件を上回っており、土地改良区や地元関係者が転落の恐れのある場所に応急対策を施し、安全確保に努めた。

 富山市の田尻池周辺では、呉羽射水山ろく用水土地改良区の代表者や県と市の職員、地元住民ら約20人が用水路沿い約500メートルを歩き、転落防止柵の設置状況や破損がないかなどを確認した。柵に隙間があるなど危険が高いと判断した場所には、チェーンを張ったり、注意喚起の看板を取り付けたりした。

 春の強化期間中の5月20日までに、県内の土地改良区全71団体が点検を実施する。

 県によると、県内の農業用水路の総延長は約1万1200キロで、転落死亡事故は昨年度までの10年間で197件発生している。昨年度は7、12月が各5件で最も多く、除雪中に誤って転落したとみられる事故もあった。県は水田に水を入れるため用水路の水量が増す春、稲刈り前で用水路に近づく機会が増える秋に加え、今年度から冬にも事故防止の強化期間を設ける。

 昨年度は死亡事故21件のうち、65歳以上の事故が20件を占めた。今年度は17地区で、住民による事故防止のワークショップや安全マップづくりが予定されており、県農村整備課の担当者は「身近にある危険な場所に気付くきっかけにしてほしい」と話した。

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