建て直したハウスで菊作りの準備を進める栖川さん(左)=富山市小杉

  「全国優勝で恩返し」

 1月の記録的な大雪で菊の栽培用ビニールハウスが倒壊した全日本菊花連盟顧問、栖川(すがわ)忠さん(87)=富山市新庄町=が、ハウスを建て直し、菊作りの準備を進めている。高齢や病気で重い荷物を持てない栖川さんに代わり、県内の菊愛好者が作業を手伝っている。菊名人と呼ばれる栖川さんは仲間への感謝を胸に菊作り再開へ意気込みを見せ、11月開催の日本菊花全国大会で最多となる38年連続出品を目指す。

 富山市小杉に建て直したハウスは、敷地面積約50平方メートル、高さ約3・5メートルの1棟。雪の重みで倒壊した2棟を3月に撤去した後、同じ場所に新しく設置した。業者に依頼し、費用は約40万円かかった。

 栖川さんは心臓病を患っており、2013年には菊作りの重労働が原因で人工股関節の置換手術を受けた。高齢で体力も衰え、ハウスに鉢を並べる土台を作ることができなかったため、県内の菊愛好者5人が今月3日、コンクリートブロックや木枠を並べる作業を行った。堆肥や肥料を土に交ぜる作業も手伝った。

 栖川さんが育てていた苗約500本はハウスの倒壊で全滅。今年は全国大会のライバルでもある友人の赤石忠清さん(65)=大阪府堺市=から譲り受ける苗約150本を育てる。今月下旬に届き次第、本格的に菊作りを始める。

 60年間菊作りを続ける栖川さんは県内の菊愛好者に自身の知識を惜しみなく伝え、仲間からは「菊名人」と呼ばれ親しまれている。

 日本菊花全国大会は毎年、大阪で開催されており、全国の愛好家が参加する国内最高峰の大会。第1回から37年間連続で出品している栖川さんは「多くの人に支えられて菊作りを続けられている。感謝の気持ちを菊に込め、全国優勝を果たすことで恩返ししたい」と話した。

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