破産手続き開始を申請した相澤建設本社=富山市上飯野

  「湯来楽」「肉匠坂井」営業継続

 総合建設業の相澤建設(富山市)は7日までに、事業を停止し、富山地裁に破産手続き開始を申請した。東京商工リサーチなどによると、新型コロナウイルス感染症の拡大で関連会社の温浴施設などの売り上げが減り、資金繰りが悪化した。負債総額は推定約34億円とコロナ関連倒産では富山県内最大で、取引業者や金融業界に衝撃が広がった。

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 相澤建設はグループ会社8社の中核企業。関係者によると、相澤久範会長と行広社長が5日夕、「会社を守ることができなかった」と頭を下げ、従業員約30人に解雇を通告した。7日には富山市上飯野の同社本社に関係業者や金融機関社員らが続々と訪れた。

 関連会社「ゆらら」(砺波市)は「天然温泉湯来楽(ゆらら)砺波店」や焼き肉店「肉匠坂井 富山黒瀬店」(富山市)などを運営する。7日時点で両店舗とも営業を継続しており、砺波店の従業員は「当面は今まで通り営業する」と話した。

 東京商工リサーチ富山支店によると、相澤建設は年商を上回る金融債務を抱えていた。コロナ禍(か)の外出、外食抑制で温浴施設などの来場者が減ったことで資金運営が行き詰まったとみられる。負債総額は東京商工リサーチが約31億6千万円(昨年2月期)、帝国データバンク富山支店と信用交換所富山支社は約34億円と推定している。

 グループ企業は、不動産・開発業や塗装業、保険業、資産管理業、農業のほか、社会福祉事業も手掛ける。関係者によると、富山市内で複数のマンションを管理しており、住民から「住み続けられるのか」と不安の声が寄せられている。グループ8社のうち、7日時点で事業を停止したのは一部となっている。

 東京商工リサーチ富山支店によると、県内のコロナ関連倒産は13件目。昨年春以降、国や金融機関がコロナ関連融資を強化し「関連破綻」は低水準に抑えられ、負債総額は高岡市の自動車販売修理業者の約6億円が最大だった。同支店の担当者は「コロナ禍が1年以上続き、企業の疲弊感が高まり、倒産が増える可能性がある」とみている。

 ★相澤建設 1974(昭和49)年創業。官公庁や民間企業、個人から受注し、住宅や店舗、飲食店、病院など幅広い物件を手掛けてきた。県内の総合建設業では有力企業の一つと目され、売上高は91年に最高の約46億円に達した。その後は右肩下がりとなり、2020年2月期は約19億円だった。不動産投資などで借入金が膨らんだとみられる。

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