経営破綻した新電力会社F―Power(エフパワー、東京都港区)の負債総額464億円に、北陸電力送配電(富山市)の売掛金21億7687万円が含まれていることが、6日分かった。北電送配電はエフパワーの契約者への電力供給を担っており、売掛金は送配電設備の使用料などとみられる。エフパワーの破綻は今冬の卸電力価格高騰が原因で、北電送配電はあおりを受けた格好だ。

 北電送配電の売掛金は2月末時点。同社の親会社である北陸電力の広報担当者は「一般論として、未払い金が生じた場合はまずは貸倒引当金として処理することになる」と話した。北電の2021年3月期の連結業績は最終減益が見込まれており、さらなる下振れ要因となりそうだ。

 新電力は電力の需要実績が事前の計画と違った場合、ペナルティー(インバランス料金)を送配電会社に払う必要がある。1月に寒波で卸電力価格が高騰した際、需要実績が計画を上回った新電力は多く、北電送配電の売掛金にはこの料金の未払い分も含まれるとみられる。

 帝国データバンク、東京商工リサーチによると、エフパワーは09年設立で、全国規模で電力小売り事業を手掛ける。債権者には大手電力の送配電会社が名を連ね、北電送配電の売掛金は、中国電力ネットワークの94億6404万円、関西電力送配電の47億8281万円、中部電力パワーグリッドの44億6947万円に次いで多い。

 エフパワーはスポンサーを探し、再建を目指す。顧客への電力供給に支障はないとしている。

 ★新電力 2016年4月の電力小売りの全面自由化以降に新規参入した電力会社。石油や通信など多様な異業種が参入しており、大手電力10社との顧客獲得競争は激化している。自前の発電所を持つ事業者は少なく、日本卸電力取引所(JEPX)などを通じて電力を調達している。

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