PCR検査の結果について会見する山野市長=金沢市役所

  参加者増が課題、有識者「全容つかめず」

 金沢市は3日、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が多発した片町地区で、接待を伴う飲食店向けに実施したPCR検査を、対象の6割に当たる470店舗が受けたと発表した。市は「多くの店が協力した」とするが、有識者は「感染状況の全容がつかめない」とし、万が一感染が拡大して一斉検査を再び行う場合、参加者をできる限り増やす仕組みが必要と指摘する。

 検査は2月19~28日、約780店舗を対象に実施した。1230人が検査を受け、陽性者は2人だった。対象とした具体的な店の種類はホストクラブやキャバクラ、バー、スナックだが、参加した470店の内訳は分からないとした。

 市役所で会見した山野之義市長は「多くの店舗が協力してくれた。決して安心せず、気を引き締める」と述べた。自身や職員が店長や経営者と会う際には、感染防止対策を呼び掛けるとした。

 一方、石川県新型コロナウイルス対策本部会議アドバイザーの市村宏金大医学系教授は参加が6割だったことについて「感染対策をしっかりしている従業員が受け、そうではない人は受けなかった可能性がある」と述べ、参加者をできる限り増やすべきだったとした。具体的には、片町関係者と普段から連携を深め、検査に参加するメリットを共有する必要があったとしている。

 市は検査を受けた1230人の年代別データも公表した。2月に感染が拡大した30代以下が573人で半数近くを占めた。

 20代が最多の311人で全体の25・3%を占め、30代は248人で20・2%、40代は300人で24・4%となる。10代の14人を合わせると、30代以下で46・6%、40代以下で7割超だった。

 全体の陽性率は0・16%。男女別では男性393人、女性836人、不明1人だった。

  全国各地の歓楽街、陽性率にばらつき

 全国各地の歓楽街で行われているPCR検査では陽性率にばらつきがある。

 歌舞伎町のある東京・新宿区が、症状がある区民や飲食店従業員らを対象に行う検査では、検査した1万4455人のうち、陽性は2923人で陽性率は20・22%に上る。

 札幌市がススキノで店舗単位で実施している検査は7805人のうち、陽性が124人で陽性率は1・59%。福岡市が昨年12月に中洲で行った検査では、772人に対し陽性は7人で陽性率0・91%だった。

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