23日午後3時4分ごろ、珠洲市蛸島町、自営業今井正光さん(69)方から出火、木造2階建て住宅を全焼、隣接する民家などに燃え広がり、約4時間後に消し止めた。珠洲消防署によると、少なくとも7軒に延焼したとみられる。出火当時、家にいた今井さんが煙を吸い込んで市総合病院に運ばれ、頭や左手のやけどで軽傷の見込みである。
珠洲署と珠洲消防署によると、今井さんは建築関係の仕事をしており、一緒に家にいた妻にけがはなかった。
延焼した家屋などは半焼か部分焼とみられ、さらに被害が確認される可能性がある。延焼先に人的被害はない。
付近住民によると、出火時に「ドーン」と大きな音が響き、今井さん方から黒い煙が上がっていたとの証言があり、珠洲署と珠洲消防署は24日午前10時から実況見分し、出火原因や焼失面積を調べる。
現場は珠洲市蛸島小から西へ約300メートル離れた住宅密集地で、同市飯田町から狼煙町方面へ通じる県道が消火作業に伴って一時通行止めとなった。延焼を恐れた付近の寺から仏像を避難させる人や、「おとろしい(恐ろしい)」と様子を見守る住民の姿がみられた。
金沢地方気象台の観測によると、23日午後3時の珠洲の風速は3メートルだったが、現場付近では時折、強い風が吹く時間帯もあった。
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