観光庁の支援を受けて再生が図られる温泉街=黒部市宇奈月温泉

  ●旅館、観光施設10軒改修へ/県や黒部市も取り組み後押し

 来年の黒部宇奈月キャニオンルート一般開放や北陸新幹線敦賀開業を見据え、観光庁と富山県、黒部市などは来年度、宇奈月温泉の再生に着手する。黒部峡谷鉄道宇奈月駅から黒部川に架かる想影橋の周辺を再生エリアに設定し、2年間で計9億2千万円をかけて旅館5軒、観光施設5軒を改修する。景観を害している廃屋5軒の撤去にも踏み切り、観光地としての魅力に磨きをかける。

 観光庁の「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」に採択され、来年度から2年間で3億5千万円の補助を受ける。県や黒部市も支援し、事業者も事業費の一部を負担する。

 来年6月には黒部宇奈月キャニオンルートが一般開放されることから、旅の拠点となる宇奈月温泉エリアへの投資を進め、地域活性化を図る。

 旅館ではインバウンド(訪日客)対応も含め、高級感のある内装に改修するなど、付加価値の向上を目指す。土産品店や飲食店、雑貨店など街歩きを楽しむための拠点も装いを新たにする。

 昨年閉館した旧ホテル渓仙など廃屋の撤去も行う。温泉街の美観を損ねる上、防犯、防災の観点からも対策が求められており、撤去を進めてエリアの景観保全を進める。

 施設の改修に合わせて、にぎわい創出のためのイベントも実施する計画で、音楽イベントやライトアップなどの実証実験にも取り組む。

  ●立山で美容、健康の新観光地形成へ/前田薬品工業など支援

 観光庁は、前田薬品工業(富山市)が中心となって、立山町日中上野地区で進める新たな観光地の形成に対しても2年間で計7千万円を補助する。

 旧日中上野小の校舎を改装した宿泊施設の整備、古民家や蔵を改修した宿泊施設、農泊体験施設などで構成する分散型宿泊施設とするための改修を行う。立山の豊かな自然を満喫しながら、健康や美容を楽しむエリアとする計画だ。総事業費は1億7千万円となる。

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