朝乃山(左)が突き落としで阿炎を破る=福岡国際センター

  ●小結阿炎を突き落とす

 大相撲九州場所(福岡国際センター)千秋楽の26日、東前頭筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は東小結阿炎(錣山部屋)を突き落としで仕留め、今年最後の場所で有終の美を飾った。途中出場で連敗も喫して苦しんだが、3連勝で通算500回出場の節目の白星をつかんだ。一年を終えた朝乃山は「一から出直しの気持ちで。高みを目指して、稽古していきたい」と新年の土俵を見据えた。

  ●4勝4敗7休

 朝乃山が勝ち名乗りを受けると、札止めとなった満員の会場から大きな拍手が送られ、朝乃山と記された応援タオルが至るところで波打った。

 くせ者の阿炎との一番。朝乃山は相手の鋭い突き、押しにのけ反るも下からあてがって下がらずにこらえる。耐えながら相手の突きに合わせて右突き落としを決めた。取組後は「内容が悪かった。この相撲では納得はいかない」と喜びは見せなかったが、攻めを耐えられたからこその勝利だった。

 場所直前に左ふくらはぎの肉離れを負い、初日から休場。8日目から出場し、貴景勝を撃破するも、その後は4連敗と壁にぶつかった。勝った相撲でも「内容が悪い相撲があった」と語る通り、復帰してから最も苦しい場所だった。それでも「思い切って相撲を取ってこい」という高砂親方(元関脇朝赤龍)の言葉に背中を押され、土俵に立ち続けた。

 今場所を振り返り、報道陣から出場した判断は正解だったか聞かれると「腹をくくって決めたこと。出るからには中途半端な気持ちだとけがにもつながる。負け越したとしても、出たいという気持ちだった」と力強く語った。

 今場所前には入門時の師匠、先代高砂親方(元大関朝潮)が死去。巡業が終わって東京に戻ったら結果を報告する予定で「前に出ろ」という教えを胸に、稽古に励む決意だ。来年3月に30歳になる元大関は新年に恩返しを期す。

 4勝4敗7休で来場所の番付は前頭7枚目前後に下がるとみられる。朝乃山は「30歳だから力が出るということもある。諦めないで頑張りたい」と宣言し、九州の土俵を引き揚げた。

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