朝乃山(右)が押し出しで北勝富士に敗れる=福岡国際センター

 大相撲九州場所(福岡国際センター)12日目の23日、東前頭筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は西小結北勝富士に押し出され、4連敗を喫した。「なんでですかね…」。形は作るも、その後の攻めに精彩を欠いた相撲が続き、元大関が壁にぶつかっている。けがを抱えながら出場を決めた以上、最後まで土俵に立ち続けなければならず「勝ち負けの世界なので引き分けはない」と覚悟を決める。

  ●右下手に課題

 「せーの、あさのやまー」。満員御礼の九州場所で朝乃山への声援の合唱がこだました。会場の至る所に応援タオルが掲げられる。その期待に応えられない歯がゆさが朝乃山の表情ににじんでいた。

 鋭く踏み込んで右をのぞかせたが、左上手になかなか届かない。北勝富士に振りほどかれると、はず押しをまともに受けて後退。たまらず引いて呼び込んだところを一気に押し出され「受ける形になり、相手に距離をつくられてしまった」とため息をついた。

 一因は得意とする右差しの形となっても、右でまわしを引けていないことだ。11日目の豊昇龍戦でも右は抱える形となり、両まわしをがっちりとつかんだ豊昇龍の投げに屈した。北勝富士戦もまわしを引けなかったため、途中で右が抜ける展開となった。「右下手をしっかり取らないと駄目だ」と修正点を口にする。

 10月末の秋巡業で左ふくらはぎを負傷。場所前から本格的な稽古を積めていない状況ながら「全休よりは途中からでも出た方がいい」と強行出場を決断した。思いとは裏腹に黒星が並び、過去10勝2敗と得意にしていた相手にも惜敗。支度部屋で朝乃山は「負けです、はい」と苦しそうに笑い、落胆を隠せなかった。

 12日目は西関脇若元春(荒汐部屋)との同学年対決が組まれた。幕内での対戦は3度目となり、過去は朝乃山が2連勝中と負けなしの相手。今場所の若元春は既に負け越している。実力者を撃破して連敗を止める決意だ。

無断転載・複製を禁じます