「海なし県」の山梨の子どもにも海洋ごみ問題を知ってほしい―。山梨県がそんな思いを込めて、海岸で拾ったごみを旅行用のトランクケースに詰めて県内の小学校などで展示する活動に取り組んでいる。海洋ごみは川から海に流れ出ることも多いため、当事者意識を持ってもらう狙いだ。
10月2日、都留市立禾生第二小学校の廊下に五つのトランクが設置された。中にはスプレー缶や納豆の容器といったごみがぎっしり。県内の川や静岡県の海で拾ったものだ。「山梨あるあるごみ」「ごみはどこへ行くの?」といったテーマに分けられ、絵や文章での解説も付いている。
休み時間に集まった子どもたちは一つ一つを観察。「袋にのりが入ったまま捨てられてる!」などと驚いた様子で声を上げた。3年の宮下紗名さんは「海のごみを見るのは初めて。魚が食べたら死んじゃうかもしれないのに、どうしてこんなにごみを捨てるんだろう」と話した。
海洋ごみをトランクで展示する手法は環境保全団体JEANが考案した。山梨県はJEANに依頼しオリジナルのトランクを制作した。
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