●中川翼さん主演 浅野川沿いなどロケ
金沢を舞台に、カレーを巡って繰り広げられる青春群像を描いた映画「スパイスより愛を込めて。」が18日までに完成した。話題作の出演で注目を集める若手俳優・中川翼さんが主演し、茅島(かやしま)みずきさんがヒロイン、金沢出身の田中美里さんは中川さんの母親役で出演する。映画の製作委員会に北國新聞社やテレビ金沢などが参加した。6月に全国で公開される。
金沢をはじめ、石川県内で全編ロケが行われた。日本映画批評家大賞国際活動賞を受けた「KIZUKI」(2008年)や「いのちスケッチ」(19年)などを手掛けた瀬木直貴監督がメガホンを取る。
物語は新たなウイルスが蔓延(まんえん)した影響で世界中のスパイスが不足し、カレーが希少になった時代を想定。母親の作るカレーが大好物の主人公・蓮(れん)(中川さん)がミステリアスな少女・莉久(りく)(茅島さん)と出会い、政治家や研究者の思惑が絡む中でスパイスを巡る謎に迫り、成長する姿を描く。
浅野川沿いの情景や金沢の街並みなどが映し出され、カツをのせてソースをかけた金沢カレーをはじめ、多様なカレーの作り方も紹介される。
田中さんは蓮の母親の漫画家を演じる。自宅でカレーを作ったり、多感で思い悩む蓮を温かく見守るほか、夫役のココリコ・田中直樹さんとの軽妙な掛け合いも楽しめる。萩原聖人さん、横山めぐみさん、加藤雅也さんらが脇を固める。
●「ふるさとで撮影うれしい」
田中美里さんは北國新聞社の取材に、「ふるさとの石川で撮影できてとてもうれしい。鑑賞し終わった帰り道にカレーが食べたくなる、スパイスの効いた映画です」と述べた。
瀬木監督は「カレーの聖地である石川は、住む人のカレー熱が高い。伝統工芸や魚だけでない金沢の魅力を発信し、にぎわい創出の一助になりたい」と語った。