●富山・八尾の真通寺でごまんさん
富山市八尾町三ツ松の浄土真宗本願寺派真通寺で15日、ごまんさん雪像まつりと御正忌法要が行われ、門徒が手作りした雪の「ろうそく」に灯をともし、親鸞聖人の遺徳をしのんだ。寺は中山間地域にあり、住民らの高齢化が進む中、門徒らは恒例行事の継続を誓った。
雪の「ろうそく」は高さ約2メートルで、親鸞聖人の銅像の前に二つ設置された。15日午後3時から門徒10人ほどが境内に積もった雪を集め、型枠を使って雪をろうそくの形に固めた。日没後、灯油を染み込ませた布を頂点に置き、灯をともした。
門徒によると、雪像まつりは雪を活用して門徒同士の結束を高めようと、友山恵水前住職の提案で1990年に始まった。「ごまんさん」は御満座がなまったものとされ、親鸞聖人の命日を指す。雪が少なくてできなかった年と、大雪で門徒が集まれずに作れなかった年が2回あるが、この2年を除き毎年開催されてきた。
例年は本堂へ向かう参道約30メートルに降り積もった雪に穴を空け、ろうそくをともす雪回廊も作っている。今年は少雪で作れなかったため、竹筒を約30本設置し、ろうそくを入れてともした。
法要では、友山哲水住職と参列者約20人が読経。友山住職が寺に伝わる親鸞聖人の業績が描かれた軸を説明した。
門徒総代副会長の坂本哲治さん(75)は「今年は久しぶりにきれいに作ることができた。来年以降も継続していきたい」と話した。