高病原性の鳥インフルエンザウイルスについての注意点を、市村宏金大特任教授(ウイルス感染症制御学)に聞いた。
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低病原性ウイルスの感染症状は、軽い呼吸器症状や産卵率の低下にとどまるが、高病原性は、全身症状が現れ、致死率が高く、鶏舎などで広がると大量死する。海外では高病原性鳥インフルエンザのヒトへの感染例も報告されており、将来的にヒトからヒトに感染するウイルスが新たに出現し、流行する可能性はある。
ただし、ウイルスが鳥からヒトに入って、直ちにまん延することは考えられず、県内でウイルスが見つかったからといって、過度に心配する必要はない。鶏肉や鶏卵を食べて感染することもない。
感染した鳥の排せつ物にはウイルスが排出されている。国内で発症は確認されていないが、乾燥して舞い上がったウイルスを吸い込んだり、死骸に触れたりと濃厚に接触すれば、ヒトへ感染する可能性がある。
野鳥の死骸などを見つけた場合は安易な接触を避け、速やかに役所などに連絡することが大切だ。
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