大相撲初場所(両国国技館)4日目の11日、西十両12枚目の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は、東十両14枚目の對馬洋を盤石の右四つで寄り切り、初日から4連勝とした。元横綱白鵬の宮城野親方が「彼が注目の的。このまま全勝優勝して。春場所で幕内に上がって大暴れしてほしい」と要望すると、伝え聞いた朝乃山は「頑張ろうという気持ちになる」と気持ちを新たにしていた。
少し硬い表情で土俵に上がった朝乃山。1度目の立ち合いは呼吸が合わずに仕切り直し。2度目で立つと、鋭く前に出て、相手のかち上げを物ともせず素早く左上手を引いて得意の右四つ。一気に寄り切った。
元大関は快勝にも、すぐに課題を挙げた。「立ち合いで右が入ったのは良かったけど、立ち合いが高い。下から下から攻めていきたい」と振り返った。内容には納得がいかないようで「稽古場でやっていても、本土俵でできないってことはまだまだ稽古不足」と反省し、次の一番を見据えた。
両国国技館内であった親方トークイベント後、取材に応じた宮城野親方は、朝乃山が春場所で幕内に上がれば「自分のいた地位が見えてくるし、近づいてくるのではないか」とエールを送った。朝乃山は取組後の取材で、大横綱からの期待を伝え聞き「自分の名前を言ってくださり、大変うれしい」とかみしめた。
朝乃山は部屋に帰ると、自身のその日の取組映像を見返し、課題や修正点を研究している。「毎日、相撲が取れていることが幸せ」と語り、充実感も漂わせた。
序盤戦最後の5日目は、西十両13枚目の魁勝(浅香山部屋)と対戦する。得意は左四つで、朝乃山とはけんか四つとなる。