●全国高校サッカー決勝
9日に東京・国立競技場で幕を閉じた第101回全国高校サッカー選手権で、東山(京都)3年で金沢市出身のMF真田蓮司(れんじ)選手が得点王(3点)と大会優秀選手36人の一人に選ばれた。決勝は岡山学芸館に1-3で敗れたものの、前半に右足で鮮やかに同点ゴールを決めるなど「司令塔」として巧みなプレーを連発。アルゼンチン代表のメッシ選手に憧れ、石川で基礎を固めたテクニシャンが5万人超の聖地のファンを沸かせた。
1点を追う前半44分だった。左サイドからのパスに走り込むも、相手選手が目前に迫っていた。シュートコースはわずか。だが、真田選手は右足のインサイドで冷静にゴール右へ蹴り込んだ。テレビ解説者の元日本代表・城彰二さんも「すごい」と感嘆した技ありのゴールだった。
金沢市森本小を卒業後、セレッソ大阪U―15に入団。プロ選手の夢を後押ししようと、母悦子さん(48)と姉杏珠さん(20)が大阪に移り住んだ。金沢に残った父文明さん(46)には「強くなってくる」と誓ってボールを追った真田選手。昨年は17歳以下の日本高校選抜に入るにまで成長した。
●6試合フル出場
身長172センチ。中盤のポジション(ボランチ)ながら、3得点1アシストと活躍し、決勝では両チーム最多の4本のシュートを記録。「昨年はベスト8で負けて悔しかった。日本一になるため一戦一戦集中する」。あと一歩で日本一は逃したが、全6試合フル出場でチームをけん引した背番号7に大きな拍手が送られた。
●「自慢の息子」両親たたえ
スタンドでは、家族や小学生の頃に在籍したデランテロ(金沢市)、星稜ジュニアの仲間が堂々の準優勝を喜んだ。
父文明さんは「緊張した様子もなかった。夢の舞台まで連れてきてくれた自慢の息子だ」、母悦子さんは「とにかくお疲れさまと伝えたい」と目を潤ませた。
真田選手は関西大に進学予定。将来は幼少期から憧れ続けるメッシ選手が活躍したスペインリーグでプレーすることが目標だという。文明さんは「きょう負けた経験が将来、絶対プラスになる」とさらなる成長を願った。
幼稚園の年中から森本小4年時まで指導したデランテロの荒木田丈代表(47)は「期待通りゴールを決めてくれた。勝ちたい気持ちがあふれ、最後まで蓮司らしい積極的なプレーを見せてくれた」と目を細めた。
■東山高と真田選手の成績
1回戦 4―0聖和学園(宮城)
後半5分に左足で先制ゴール
2回戦 2―1星 稜(石川)
3回戦 2―0高川学園(山口)
先制点アシスト、後半11分にゴール
準々決勝 0―0日体大柏(千葉)
(PK4―3)
PK戦5人目で成功、勝利を決める
準決勝 1―1大 津(熊本)
(PK4―2)
決勝 1―3岡山学芸館(岡山)
前半44分に右足で同点ゴール