今年はうさぎ年だ。いしかわ動物園(どうぶつえん)では「カイウサギ」を21羽飼育(わしいく)している。欧州原産(おうしゅうげんさん)「アナウサギ」を飼(か)いやすく改良(かいりょう)した種(しゅ)で、園内の品種(ひんしゅ)だけでも体重(たいじゅう)は900~5500グラム、体長は25~70センチとさまざまだ。
特徴(とくちょう)は、なんと言っても大きな耳だ。音で情報(じょうほう)を集(あつ)めるほか、耳全体(みみぜんたい)に張(は)り巡(めぐ)らせた血管(けっかん)の伸縮(しんしゅく)で体温(たいおん)を調節(ちょうせつ)する役割(やくわり)も果(は)たしている。特技(とくぎ)は後ろ足を使(つか)ったジャンプで50~60センチの柵(さく)も軽々(かるがる)跳(と)び越(こ)える。後ろ足は敵(てき)から逃(に)げる走力を生むため大きいが、前足は大好(だいす)きな穴掘(あなほ)りをしやすいように小さい。
カイウサギは本来、野生にはいないが、ペットが野生化(やせいか)した例(れい)は世界各地(せかいかくち)にある。石川県内(いしかわけんない)でも輪島市(わじまし)の七ツ島(ななつじま)で増加(ぞうか)して問題(もんだい)になったことがある。担当(たんとう)の佐藤美樹技師(さとうみきぎし)は「最後(さいご)まで責任(せきにん)を持(も)って飼(か)うことを忘(わす)れないで」と注意(ちゅうい)を促(うなが)す。
園内には、小型(こがた)のネザーランド・ドワーフ系(けい)、耳が垂(た)れたホーランド・ロップ系(けい)に加(くわ)え、最大(さいだい)の品種(ひんしゅ)フレミッシュジャイアントがいる。大好(だいす)きな野菜(やさい)や果物(くだもの)はあくまでおやつ(副食(ふくしょく))で、主食(しゅしょく)は草だ。喜(よろこ)ぶからといっておやつばかり与(あた)えると体を壊(こわ)す。食事(しょくじ)はバランスに気を付(つ)けている。
「ふれあい体験館(たいけんかん)」の室内展示場(しつないてんじじょう)では、いつでもウサギを見ることができる。予約制(よやくせい)でふれあい体験(たいけん)も実施(じっし)している。鑑賞時(かんしょうじ)は「生きもののおうちをのぞかせてもらっている」という気持(きも)ちを持(も)つことが大切だ。優(やさ)しく見守(みまも)ってほしい。