金沢市寺町1丁目の曹洞宗桂岩寺(けいがんじ)で毎月1日に行われている早朝座禅が、元日に600回目を迎えた。夜明け前に集ったメンバーは、心静かなひとときに身を委ね、心を整えた。1973(昭和48)年の開始から50年間、参加している人もおり、健康で末永く活動を続けていけるよう願った。
グループ「一如会(いちにょかい)」の会員8人は午前5時、五百羅漢像が四方に鎮座する本堂に集まった。般若心経を唱えた後、座布(ざふ)に腰を下ろし、背筋を伸ばしてじっと座った。
蒲田敬章住職(40)は、ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮のミサイル発射で揺れる国際情勢に触れ、「願うのはただ一つ、世界が平和であってほしいということ。こんな時こそ座禅が必要ではないか」と説いた。
一如会は1973年2月1日、蒲田住職の祖父で、当時住職だった亮輝さんを導師として結成された。2009年に亮輝さんが97歳で亡くなった後は、蒲田住職が引き継ぎ、毎月続けられている。
初回から現在までメンバーに名を連ねるのは、小林昶夫(のぶお)さん(83)=三口新町1丁目=と井沢義武さん(78)=みどり3丁目=の2人。1日、参加した小林さんは「ここへ来なんだら気持ち悪いから、毎月必ず来る。元気な限りずっと続けたい」と笑顔で語った。蒲田住職は「お二人の力で600回続いてきた。尊敬する兄弟子です」と語った。