出世魚の縁起の良さにあやかって新年を祝う「鰤(ぶり)分け神事」は1日、射水市加茂中部の下村加茂神社で行われた。氏子ら約60人が平安時代から伝わるとされる古式にのっとってブリを高々と持ち上げ、無病息災や家内安全を願った。
新年慶賀祭で営まれ、神前に加茂、倉垣小杉、柳瀬の3地区が奉納した重さ10キロ前後の塩ブリ計6本が供えられた。野上克裕宮司が祝詞を奏上し、神社委員の北川武さん(53)がブリのヒレを立てて生きの良さを神に示しながら1本ずつを掲げ、地区名を読み上げた。参列者が順に玉串をささげ、氏子総代の久野好一さん(74)があいさつした。
ブリは「鉄板割烹むね久(きゅう)」(同市)の小松宗義代表が神前で切り分けた。鏡開きも行われ、切り身と酒が氏子に配られた。大役を務めた北川さんは「無事終えられてほっとしている。みんなが健康で明るく過ごせるよう願った」と話した。
鰤分け神事は、神のお下がりを食べて御利益を願う「神人同食(しんじんどうしょく)」の考えに基づき、神社創建時の1066(治暦(じりゃく)2)年から伝わるとされている。
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