同居する母親=当時(78)=を自殺に追い込んだとして、自殺教唆と暴行の罪に問われた加賀市塩屋町、無職の被告の男(54)の初公判は25日、金沢地裁であり、被告は起訴内容を認めた。母親の手作りカレーを食べられず激高したという。検察側は懲役3年を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求め、即日結審した。判決は12月5日。

 きっかけは母親が手作りカレーを勝手に隣人にお裾分けしたことだった。検察側の冒頭陳述などによると、カレーを作ってから数日後、全部なくなっていることに気付いた被告が、母親を土下座させて殴る蹴るの暴行を加え、包丁を見せて「死ねや」と迫ったという。

 被告人質問で被告は、当時、長距離ドライバーの仕事が盆休みで、酒を飲んでいたとし「酒で理性を失っていた。母親が自分のことを粗末にしたと思った」と振り返った。母親にステーキ肉や季節のフルーツを買っていたとし「長生きしてほしかった。申し訳ない」と謝罪。それまでに暴行はないとした。

 検察側は論告で「悪質で生命を軽視している」と非難。弁護側は「後悔し、断酒を決意している」と寛大な判決を求めた。

 起訴状によると、被告は8月16日、自宅で母親に対し顔面を拳で殴るなど暴行を加え、目の前に包丁を置いて「はよ、死ねや」と迫り、自殺させたとされる。母親は納屋で首をつった。

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