月食中の月の位置(東京の星空)(ⓒ国立天文台)

地球の影に対する月の動き(ⓒ国立天文台)

天王星食(各地の予報)(ⓒ国立天文台)

 8日夜、月全体が地球の影に隠れる「皆既月食」が全国で見られる。月が天王星を隠す「天王星食」も同時に起こり、ダブルで楽しめる。皆既食中に惑星食が起こるのは大変珍しく、日本では442年ぶり。次は322年後となるため、今回が最初で最後のチャンスといえる。

【ライブ配信】「皆既月食+天王星食」
【動画】国立天文台による解説

 国立天文台によると、午後6時9分、月の一部が欠けて見える「部分食」が始まる。7時16分から8時42分まで「皆既食」となり、「赤銅色」と呼ばれる赤黒い色に見える。ピークは7時59分。その後、月は次第に姿を現し、9時49分に満月に戻る。

 天王星食は小笠原諸島を除く全国各地で見られるが、場所によって時間帯が異なり、東京―新潟近辺より西側では皆既食のさなか、東側では部分食中に始まる。金沢では、皆既食中の午後8時34分ごろに天王星が月の後ろに入り、部分食中の9時26分ごろに再び出現する。

 日本で皆既食中に惑星食が起こるのは、1580年7月26日の土星食以来。次回は2344年7月26日の土星食となる。月食中に惑星食が重なるのは、稚内付近のみで部分食中に天王星食が発生した2014年10月8日の皆既月食以来という。

  ●石川県内、8日夜は曇りか

 金沢地方気象台によると、8日の石川県内は気圧の谷などの影響を受け、朝から昼過ぎにかけて雨が降り、雷を伴う所があるが、夜は曇りとなる見込み。

 国立天文台によると、天王星の明るさは約6等級。好条件の空であれば、肉眼でぎりぎり見えるレベルだ。本来、明るい月に隠れる「天王星食」の観察は困難を極めるが、今回は月食の影響で月が暗く見えるため、双眼鏡や望遠鏡を使えば観察できるという。

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