本部長の馳知事が不在のまま開かれた災害対策本部会議=県庁

  ●下山も足止め、登山口で格上げ指示

 加賀地方を中心に記録的な大雨に見舞われた4日、県庁では県の危機管理のトップである馳浩知事が終日不在のまま、職員が情報収集に追われた。当初は各部の次長級を集めた連絡会議を開く予定が、被害拡大を受け災害対策本部会議に急きょ格上げするなど混乱が露呈する場面も。悪天候が予想された中、3日から白山に登っていた馳知事には職員からも「危機管理がなっていない」と苦言が呈された一方、気象の専門家は「これだけの大雨は予見が難しかった」と話した。

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 県が各部局の次長級職員を集め、1回目の会議を開いたのは午前9時半。大雨の状況を共有した後、村上勝危機管理監は記者団に「直ちに大きな災害が起こる状況ではない」と次長級会議にした理由を説明した。

 馳知事が白山登山で不在にしていることに問題はないかと問われると「知事とは随時連絡を取っている。万全の態勢で対応している」と強調した。

 だが、その後も雨は降り続き、南加賀では住宅の床上浸水などの被害が拡大。県は午後0時半、2回目の次長級会議を開始すると報道発表したが、約30分後、「第1回災害対策本部会議」と修正した。

 県災害対策本部会議は、知事を本部長とし、両副知事、各部局長が顔をそろえる。平成以降、ロシアタンカー「ナホトカ」号の重油流出事故(1997年)、能登半島地震(2007年)、珠洲市で震度6弱を観測した地震(今年6月)など六つの災害を受けて開かれており、知事不在は今回が初となる。

 席上、副本部長の徳田博副知事は「小松市から自衛隊の災害派遣要請があったため、馳知事が対策本部会議を開くよう指示した」と会議を変更した理由を説明。知事とは午前6時ごろから電話で連絡を取り合い、雨や被害の状況を随時報告したとも述べ、万全の態勢が取れているとの釈明に追われた。午後7時には2度目の災害対策本部会議を開いた。

  ●職員にも賛否

 有事に知事が県庁にいなかったことに関し、県幹部には「首長は飛び回っているのが普通であり、不在を批判されるとどこにも行けない」と理解を示す声がある一方、「雨予報は前から出ていた。政治は結果が全てであり、危機管理がなっていないと言わざるを得ない」との批判も聞かれた。

 村山卓金沢市長は、知事不在によって災害時の県市連携に支障が出ていないかと記者団に問われ「支障は出ていない。代理となる方がしっかり指揮されていると思う」と述べた。

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