眼球を傷つけることから使われなくなった洗眼器。使い方を知らない児童もいる=金沢市小立野小

新型コロナ対策で口飲みが禁止されている冷水機=金沢市野田中

 ●金沢の新校舎犀桜、中央小は設置せず 使い方知らない児童も

 プールの授業が本格化している金沢市内の小中学校で、目を洗うための蛇口「洗眼器」が使われなくなっている。角膜を傷付ける恐れがあるとして、10年ほど前から目を洗いすぎないよう指導が広まったためで、今年から新校舎となった犀桜、中央小では設置もされなかった。使い方を知らない児童も多く、平成の前半まで当たり前だった蛇口は「遺産」になり始めている。

 体育館の屋上部分にプールがある小立野小では、シャワーの隣にある水道に洗眼器が2基設置されている。同校は2012年に新築されたが、学校ができて数年で使われなくなり、現在は蛇口に触れる児童もいないという。沖田拓校長は「今はほとんどの子どもがこの蛇口の使い方を知らないと思いますよ」と苦笑する。

 洗眼器は目を洗うために水の出口が二手に分かれた上向きの蛇口で、目の異物を手軽に洗い流せる効果がある。市教委によると、10年ほど前まではプールの塩素を洗い流すなどの理由から市内各地の学校で使われていた。

 ところが、日本眼科医会(東京)が2008年、簡単に目の回りを洗う対応は必要としながらも、「(目洗いは)積極的に推奨するものではない」と見解を示した。これを受けて、日本学校保健会は「学校における水泳プールの保健衛生管理」と題したマニュアルを全国の各小中学校に配り、市内の小学校でも目を洗う指導が減ったとみられる。

 市教委の担当者は「昔は当たり前だった蛇口が今は珍しい光景になっている。目に異物が入った場合は、臨機応変に使ってほしい」と話した。

 ●冷水機は口飲み禁止

 野田中では、新型コロナの感染対策として、冷水機の口飲みを禁止して水筒への補充のみ許可している。校内にある6台は水を直接飲みやすいように蛇口が上向きに設置されているが、蛇口に口を付ける生徒がいたことから、「直接飲むことは禁止」と記した貼り紙を付け、感染防止策を講じている。

 コロナが落ち着き次第、口飲みも許可するという。羽場政彦校長は「コロナで仕方ない部分はあるが、昔の常識から大きく変わった指導も増えた」と話した。

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