遊歩道沿いの板の上に置かれていた木像=羽咋市柴垣町の長手島

  ●漁師の間で話題

 今月中旬、羽咋市柴垣海岸にある長手島(ながてじま)に木像が放置されているのが見つかり、漁師たちの間で「謎の木像」として話題になっている。立派なあごひげを蓄えて満面の笑みで魚を抱えており、いつ誰が何のために置いたか分かっていない。長手島では海中で拾い上げたと伝わる木像が「守り神」として祭られており、漁師らは「第2のご神体かもしれん。どうしたものか」と思案している。

 木像は縦約40センチ、横約20センチ。頭部の一部や左手が欠け、魚かごを持って亀の甲羅にも見えるかさのようなものを背負っている。6月15日、県漁協柴垣支所の服部正三運営委員長が草の生い茂った遊歩道沿いで、平らな板の上に置かれていた木像を発見した。

 突如現れた木像に「気持ち悪いから警察に落とし物として届けた方がいい」とする漁師がいる一方で、「ちゃんと管理しないと罰当たりだ」との声も。柴垣支所の西久子さんは「あなたはどこから来たの?と聞きたい。流れ着いた像を見つけた釣り人が置いたのかも」と推し量る。

 島には江戸中期に建立された「七面堂」があり、海中で拾ったとされる木製の天女像「七面大明神」が祭られている。漁師は毎年3月と8月に航海の安全と豊漁を祈ったり感謝したりしており、柴垣町の日蓮宗本成寺の中山観能住職は「何の木像か分からないが、ありがたいものには違いない」と話す。

 昔からいろんなものが流れ着いた歴史があるだけに見方もさまざま。「一見、七福神のえびす様に見えるが、仏像の蓮華座があるので神様とは言えない」と指摘するのは、柴垣町にある椎葉圓(しいはつぶら)比咩神社の新田哲生宮司だ。

 島の岩から向こう岸までサメをだまして渡ろうとした白ウサギが、大国主命(おおくにぬしのみこと)に助けられたという「能登の白うさぎ伝説」も残る長手島。服部運営委員長は「長手島は不思議なところ。置いていった人がいるのならば教えてほしい」と話した。

 ★長手島 砂州で陸続きとなり、地形学上珍しい形態とされる。周囲は奇岩と岩礁に囲まれ、素潜り漁による岩ガキは能登を代表する夏の名物。日本三景の天橋立にちなんで「小天橋立」とも言われ、島には七面大明神をまつる七面堂がある。付近は砂浜の遠浅海岸で、海水浴地としても知られる。

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